県政ニュース66号2017年夏

県政ニュース66号2017年夏を発行いたしました。

県民一人ひとりに寄り添う政治を

6月議会で通算31回目の一般質問を行いましたので、以下にその要旨を報告します。

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県議会一般質問(要旨)

働き方改革について

(1)熊本地震からの復旧・復興業務に対応した県の体制整備について

(質問)かまたさとる 過労死ラインの目安とされる2カ月連続で月80時間以上と月100時間以上の時間外労働を強いられた県職員は、昨年度は、一昨年度の5倍以上。長期化が見込まれる復旧・復興事業に耐えうる体制整備が必要だ。
(答弁)総務部長 本年度、地域支えあい支援室や企業復興支援室を新設するなど震災業務に対応した組織改正を行い、人員の重点配置を行った。既存業務を聖域なく大胆に見直すことを確実に実施するよう周知徹底を図ってきた。今後、職員の健康維持も含めて体制の整備に努める。

(2)教員の過重労働対策について

(質問)かまたさとる 文部科学省は学校内勤務時間が週60時間以上の教諭が小学校で33.5%、中学校で57.7%に上るという2016年度の公立校教員の勤務実態調査を公表した。県内の教員の勤務実態はどうなのか。
(答弁)教育長 市町村立の学校では、市町村教育委員会で管理方法が異なり、県全体として統一的に勤務実態を確認することは難しい。県立学校では、月の超過勤務時間数が80時間を超え、産業医の保健指導対象となった教員は、全教員の1割。
(質問)かまたさとる 教員の長時間労働の要因のひとつである、部活動の指導の負担を軽減することが必要。文部科学省は本年4月1日から外部の部活動指導員を学校職員に位置付ける省令を公布したが、県教委としてどのように取り組んでいるのか。また、運動部活動の指針を再度徹底すべき。
(答弁)教育長 指導員としての身分や任用の在り方、人材確保や財源確保等の課題の検討を進めている。運動部活動の指針については、公立中学校に対し、適切に休養日を設定するよう指導の徹底を図っていく。
(質問)かまたさとる 勤務時間の把握と更なる多忙化対策に取り組むべき。
(答弁)教育長 学校現場における働き方の問題は、最重要課題のひとつ。市町村とも緊密に連携し、管理職の意識改革や学校現場の状況把握、労働安全衛生の体制整備等の充実に努めていく。
仮設住宅入居者への支援について
(質問)かまたさとる みなし仮設入居者の住み替えについて柔軟に対応すべき。
(答弁)健康福祉部長 みなし仮設入居者が、仮設住宅の空き部屋や別のみなし仮設へ転居することは、原則として認められず、個別事情を勘案して対処するとなっているが、今後、様々な形での住み替えも予想されるので、できるだけ柔軟に対応したい。
NHK大河ドラマ「いだてん」の「金栗四三」を活かした地域振興・観光振興の取り組み
(質問)かまたさとる NHKは2019年の大河ドラマの主人公に、日本初のオリンピック選手で和水町出身の金栗氏を選んだが、金栗氏の偉業について県民へ理解促進を図るべき。
(答弁)知事 金栗氏の不撓不屈の精神や旺盛な探求心を示すエピソードも交えた新たな広報啓発用の教材を作成し、郷土が生んだスポーツ界の偉人を県民の皆様に広くご理解いただけるよう取り組む。
(質問)かまたさとる 金栗氏の生誕の地である和水町、走って通学した小学校がある南関町、後半生を過ごした玉名市などで、大河ドラマを契機に様々な地域活性化や観光振興に結び付く取り組みが進められていくが、その取組みに対して県の支援を。
(答弁)知事 金栗氏の生家を核とした観光拠点づくりや地元で開催されてきた金栗杯などのマラソン大会での交流イベントの充実、金栗氏の偉業を国内外にPRする取り組みを県を挙げて最大限支援する。
(質問)かまたさとる 金栗氏が生まれ育った熊本県は「マラソン県」という売り込みをしていくことも重要。県内で行われている大会をすべてひとまとめにしてマラソンマップを作成して、県内外の皆さんに発信すべき。
(答弁)知事 今回のドラマ化によって全国的にマラソンに対する注目が高まることが予想される。多くのランナーを県内の大会に呼び込み観光につなげるために、ランナー向けに県内のマラソン大会を網羅したマップを作成する。
自家用車ライドシェアについて
(質問)かまたさとる 「自家用ライドシェア」は無資格者が自家用車で不特定多数の人を輸送し、対価を受け取るもの。これが導入されればタクシー産業に壊滅的な打撃を与える。県内で、自家用車による旅客運送が必然となる場合は、従来どおり法令に基づき、バス、タクシー労使も参加する地域公共交通会議や自家用有償運送運営協議会等、関係者の合意を得るように市町村に促すべき。
(答弁)知事 今のところ県内では具体的な動きはないが、自家用車による有償運送を行う場合には、地元自治体と交通事業者等との協議が必要。現状と課題を整理したうえで市町村や交通事業者と連携して対応する。
県内就職者への奨学金返還等に係る給付制度について
(質問)かまたさとる 県内で就職する若者に対して大学の奨学金の返還を免除する取り組みを早急に具体化すべき。
(答弁)知事 より多くの若者が県内企業等で活躍できるよう地元産業界と連携・協力し、奨学金返還等に係る給付制度の早期創設に向けて取り組む。
「指紋」証拠偽造について
(質問)かまたさとる 県警は、昨年、熊本北警察署の鑑識係長であった警部補ら5人が、警察署で採取した指紋を現場や証拠品などから取ったように偽っていた事案が発覚し、本年3月、それぞれ停職や戒告の懲戒処分にした。今回の行為は、実績をつくるためにやられたとのことだが、実績主義は見直すべきだ。また、今回の行為によって「冤罪はなかった」と説明されているが、その根拠を示してもらいたい。
(答弁)県警本部長 犯罪現場等で採取された指紋と保管する被疑者指紋との符合件数を警察署ごとに年間の「努力目標」として設定していたものであり、成績が優秀な署について表彰の対象としていた。今回の職員らはその達成に異常に固執し、本来の指紋を採取する目的と手段である目標管理をはき違えて、今回の事案を引き起こしたものであり、実績管理に対する指導も不足していた。本来、指紋採取は重要な捜査の一環として、職員がその目的を理解した上で、正しく採取することが当然として求められるところであり、先般改めて指導を徹底して、「努力目標」の設定を廃止した。
冤罪については、当該職員が関わった不正の疑いが認められる約120件については、そのすべてが証拠として立証に用いられておらず、その他の証拠に基づいて犯罪事実や被疑者が特定されていることの確認が取れており冤罪の可能性はないと判断した。県警察では、真摯な反省の上、二度とこのような事案を発生させないよう取り組む。
高校受験時のインフルエンザ罹患者に対する試験の実施ついて
(質問)かまたさとる インフルエンザなどで体調を崩した生徒は別室で受験をさせている。高熱で苦しみながら試験に臨まなければならないので、インフルエンザが治った後、体調を整えて受験できるように後日、追試を行うべき。
(答弁)教育長 平成29年度入学者選抜では全受験者のべ13,281人中、別室受験者は119人でそのうちインフルエンザ罹患者は73人だった。入試制度の変更については受験者全体へ与える影響が大きいので、平成30年度入試については現行通り実施。それ以降の入試については慎重に検討する。