県政ニュース69号2018年夏

県政ニュース2018年夏を発行いたしました。

猛暑の候、いかがお過ごしでしょうか。

国政においては、中央官僚による公文書の改ざん、隠ぺい、データのねつ造というこれまででは考えられない行為が行われ、国会では真相が語られず、虚偽と疑われる答弁が繰り返されました。また、問題の多い法案を数の力で強行採決してしまう状況が続いています。国会は異論があれば勢いで抑え込むのではなく、異なる意見も尊重して議論を進めるべきです。今一度民主主義を機能させ、政治への国民の信頼を取り戻さなければなりません。

さて、熊本地震から2年3カ月が経過をしようとしています。創造的復興が進んでいますが、被災者の生活再建は道半ばです。6月県議会も議論の中心は熊本地震からの復旧・復興であり、今後も被災者の生活再建をはじめインフラ整備などの取り組みを継続して進めていきます。

被災者のすまいの再建については、昨年5月時点では約4万8千人の方々が仮設住宅に入居されていましたが、現在では、3割を超える約1万5千人の方が住まいの再建を実現されていて、今年度末には全体の約半数の方が再建されると見込まれています。しかしながらいまだ3万3千人の方が仮設住宅などでの生活を余儀なくされており、県が示している4つの住まいの再建支援策の周知徹底が必要です。

また、民間アパートを借り上げているみなし仮設住宅のコミュニティ形成に係る助成制度(10世帯以上集まれば2万5千円が助成される)については、現実的な問題として、点在して日頃の接点がなく生活している世帯が10世帯以上も集まって交流するのは難しいので見直しを求めてきましたが、今回、5世帯以上と要件緩和となりました。今後とも、被災者の生活実態を踏まえた対応を進めていきます。

また、非常に気になる問題として児童・生徒の心のケアがあります。熊本市を除く県内の児童生徒の1.1%が専門家による心のケアや支援が必要という調査結果が出ています。全体的な傾向としては県立中・高等学校、特別支援学校は、前回調査と比較して横ばい状態でしたが、公立小中学校において前回調査と比較して増加しています。「地震の情報等を見聞きした時に表情が変化する」「ストレス度合いが高い」などの子どもたちの様子は気になります。しっかりケアに努めていかなければなりません。

また、今議会では、本年4月15日に県民栄誉賞を受賞した熊本県出身の漫画家尾田栄一郎さんの作品「ONE PIECE」の主人公ルフィ像を県庁プロムナードに設置するという県の方針について議論になりました。設置場所が県庁でいいのか、像設置より被災者の生活再建支援を優先すべきではないか、という県民の意見も踏まえて、設置場所については尾田さんの意向通りに県庁に設置して、被災地などの県内各地に「麦わらの一味」の像を設置することや、設置費用については尾田さんが寄付した8億円をあてる考えが示されました。被災地への県内外からの誘客を増やすことができるこの取り組みを、尾田さんが念願している熊本地震からの復興につなげていかなければなりません。

そして、国際スポーツ大会の推進については、ラグビーワールドカップ、女子ハンドボール世界選手権大会の開催まで、いよいよ1年半を切りました。県では4月に「国際スポーツ大会推進部」を設置し、大会に向けた準備を加速しています。ラグビーワールドカップについては、熊本で試合を行うフランス、トンガ、ウェールズ、ウルグアイの4チームが熊本県で公認キャンプを行うことが内定しました。この取り組みも県民全体で盛り上げていかなければなりません。

これらの取組みによって熊本県を大きく前進させて、熊本地震からの復旧・復興、被災者の生活再建をさらに推し進めていきますので、今後ともよろしくお願い申し上げます。