県政ニュース78号2020年秋

県政ニュース78号2020年秋を発行いたしました。

あなたにアクセス78号
令和2年7月豪雨災害について

1.被災者の生活再建について

(質問)かまたさとる ①避難所に行けずに被害を受けた自宅での生活を余儀なくされている在宅避難者への支援を行うこと。②孤立化防止のために個別の支援計画を策定して取組むこと ③熊本地震の際に作った住宅ローンの利子助成、引越し費用の助成などの「すまいの再建」支援策を豪雨災害被災者にも適用すべき。
(答弁)知事 ①在宅避難者への支援については、保健師等による自宅訪問、各種申請の受付などを通して被災者の健康状態や生活再建に向けた意向を把握し必要なサービスの提供や支援につなげている ②孤立化防止については、被災市町村全てに地域支え合いセンターが速やかに設置されるよう準備を進めており、今後、センターの訪問活動を通じて仮設住宅入居者や支援が必要な在宅避難者の個別支援計画を策定し、見守りや生活再建に向けた支援を進めていく ③住まいの再建の経済的支援については、球磨川流域復興基金等を活用した熊本地震並みの支援策を早期に打ち出したい。

2.球磨川の治水対策について

(質問)かまたさとる 知事は治水対策に川辺川ダムも選択肢に含むとこれまでの「川辺川ダム事業の白紙撤回」という方針を転換した。昨年示されたダムによらない治水案を極限まで追求する気持ちはないのか。線状降水帯の雨の振り方や球磨川本流だけでなく支流の状況にも着目した対策が必要。ダムの緊急放流に対する不安やリスクも明らかにしてダム建設に否定的な人の意見も踏まえて流域全体であらゆる関係者による「流域治水」の考え方で結論を出すべき。
(答弁)知事 今後の球磨川流域の治水の方向性については、検証委員会での検証を踏まえ、国、県及び流域市町村が連携して検討していくことになる。その中で、私自身が球磨川流域治水についての考え方を整理する際は、あらゆる選択肢を排除せず、これまでいただいたご意見などを参考としていく。

3.J R肥薩線の復旧と空港アクセス鉄道の凍結について

(質問)かまたさとる 豪雨災害で不通になったJ R肥薩線の復旧費用は100億円を超えると言われているが、肥薩線は地元住民の足であり、人吉観光の生命線とも言える。県としてJ R肥薩線の復旧に向けてJ R九州に働きかけを強めていただきたい。また、通学費の支援についてJ R肥薩線復旧まで継続的に支援を行っていただきたい。
また、県南の鉄道の復旧がまだ見通せない状況にある中で、一方で空港アクセス鉄道建設の検討を進めることは県民感情として受け入れ難い。今、急ぎ必要としている県南の鉄道の復旧に向けて、まずは集中的に取り組むべき。空港アクセス鉄道事業の検討について凍結すべき。
(答弁)知事 県として肥薩線は復活して欲しいと思っており、J R九州の検討状況を注視していく。通学支援の継続については輸送区間や肥薩線の復旧状況などを踏まえて学習機会を保障する観点から、被災地の生徒の通学手段の確保に取り組みたい。
空港アクセス鉄道については、50年後、100年後を見据え将来の熊本の発展に必ずや貢献するものと確信しており、熊本地震からの「創造的復興の総仕上げ」としてその実現に向けて必要な調査・検討を進めていく。

新型コロナウィルス対策について

1.PCR検査について

(質問)かまたさとる これからインフルエンザ感染の流行期の秋冬を迎える。感染の早期発見、早期抑えこみにつなげるためにもこれまでのP C R検査実施対象の「濃厚接触者」の定義を超えてP C R検査を実施することが重要。P C R検査を積極的に受けられるようにすべき。
(答弁)知事 季節性インフルエンザの流行を見据えながら、熊本市や各郡市医師会とも連携し、県民が身近なところで必要な検査を確実に受けられる体制の構築にしっかりと取り組む。

2.雇用対策の取組について

(質問)かまたさとる 熊本県においては災害の影響もあり県内雇用環境の悪化が懸念される。県の雇用対策について尋ねる。
(答弁)知事 離職者等の就職支援に力を入れる。新型コロナ対応再就職支援プログラムのほか、離職者が失業手当などを受給しながら職業スキルや知識を習得できる職業訓練にも取り組んでおり、今年度は国とあわせて約3000人の募集を行っている。熊本労働局やハローワークなどと連携しながら「雇用をまもり、雇用をつなぐ」取組みを進めていく。

3.偏見・差別防止の取組みについて

(質問)かまたさとる 感染者だけでなく、医療従事者など自らの感染リスクと背中合わせで闘っている人々やその家族までが、偏見や差別、いじめなどの不当な扱いを受けるという問題が起きていると聞いている。偏見・差別防止の取組みを。
(答弁)知事 感染に係る偏見や差別は絶対にあってはならない。市町村とも連携し、感染防止とともに、正しい情報の発信や広報・啓発等に引き続きしっかり取組んでいく。

4.35人学級の導入について

(質問)かまたさとる 教室における児童生徒の距離は1m目安とのことですが、40人定員のクラスの教室では密状態を避けられない。県内すべての学級で35人学級を導入すべき。
(答弁)教育長 35人学級を含む少人数学級編成の推進はこれまでも国に対して施策提案している。今後も国の動向を注視しながら少人数学級の拡大に向けた検討を進める。
公契約条例について
(質問)かまたさとる 公契約とは自治体の事業を民間企業などに発注・委託する際に結ぶ契約で、その事業やサービスの質を向上させ地域経済の健全な発展を図ることが公契約条例制定の目的。条例制定に向けての今後の取り組みは。
(答弁)知事 今後、関係団体や有識者の意見を伺いながら条例制定の検討を進めていく。
県立高校のあり方について
(質問)かまたさとる 県教委は県立高校あり方検討会を設置した。新たな取り組みを進めるにはそれを担う人と活動財源が不可欠。高校も35人学級で運用するなどの措置を行い、教職員の確保を進めるべき。地域の小規模高校が腰を据えて地域との連携による教育活動を進められるよう現行の「1学級の適正規模4〜8学級」の見直し、もしくは3学級以下の存続を認める特例措置を基準に明記すべき。
(答弁)教育長 今後、全ての高校の魅力化の実現に向けて加配等による教職員の確保や地域の実情に応じた少人数学級のあり方の検討などに取り組む。小規模校の規模のあり方やその魅力化については、今後「あり方検討会」で地域の実情を踏まえながら議論を行う。
ギャンブル依存症について
(質問)かまたさとる 「ギャンブル等依存症対策基本法」は、各都道府県に対して、地域の実情にあわせた依存症対策の計画を作るように求めているが、熊本県はまだ作っていない。また、今年度中に、依存症の治療拠点や相談拠点を整備することを求めているが、どうするのか。
(答弁)健康福祉部長 今年度「依存症専門医療機関」「依存症治療拠点機関」を選定し、医療提供体制に取り組む。今後、ギャンブル依存症対策推進計画の策定に取組み、対策の総合的、計画的な推進に努める。