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県政ニュース89号2024年春

県政ニュース89号2024年春を発行いたしました。

2月本会議での一般質問

1.残された課題
(1)「くまもと再発見のたび」不適切受給問題
(2)川辺川ダム問題
(3)水俣病問題
(質問)かまたさとる (1)第三者委員会による調査開始から既に4か月以上が経過しても、いまだに調査結果が示されない。第三者委員会の調査状況と今後の対応について見解を求める。(2)流水型ダム建設に向けての住民参加は全く不十分で、水害原因の共同検証を県と実施しようと呼びかけている住民団体の要望には全く応じていない。住民団体との共同検証と、環境アセスにおいて住民意見を十分に反映させ、それに基づく知事の意見提出についての考えを尋ねる。(3)昨年のノーモア・ミナマタ第2次近畿訴訟で、大阪地裁は原告全員を水俣病として認め、全原告に1人当たり275万円を支払うよう命じる判決を下したが、国、県、チッソはこの判決を不服として控訴をした。今こそ、国、県で解決のテーブルをつくり、水俣病の早期解決を目指すべきであるが、知事が和解のテーブルに着く気はないか、任期中に原告の皆さんの話を聞くことはできないか。
(答弁)知事 (1)調査はスケジュールを含め委員会に委ねており、内容や公表時期などは示されていないが、高度な識見に基づく調査、審査が行われているものと考えている。知事への報告結果を受け、適切に対応してまいる。(2)住民団体との共同検証は、国、県、流域市町村が連携し、情報収集に全力を尽くした上で、科学的、客観的に行っており、改めての検証は考えていない。新たな流水型ダムは、法と同等の環境アセスメントが適切に進められており、今回の知事意見は国に対する県としての最後の手続となる。新たなダムが環境に極限まで配慮したものとなるよう、私の任期中に取りまとめてまいる。(3)大阪地裁判決について、県としては最高裁判決で確定した判決、国、県の主張が認められた判断枠組み等に基づき、主張と立証を行ってまいる。また、私との面会を求める声は承知しているが、訴訟が進行中のため、担当課にて丁寧に対応するよう指示している。
2.空港アクセス鉄道の速達性と定時性
(質問)かまたさとる 空港アクセス鉄道に中間駅を設置する構想は、鉄道利用客を増やす効果はあるが、空港までの速達性が課題。そこで、新駅・中間駅設置による所要時間への影響についてどのように考えているか。次に、定時性という点で、鉄道利用には事故や災害による急な運休や遅延というリスクを考えておく必要があるが、豊肥本線の県内区間の年間運休日数はどれくらいか、急な運休の際の対応についてどのように考えているか。
(答弁)企画振興部長 JR豊肥本線の運行ダイヤによれば、駅での停車時間は1分程度で、前後の減速、加速を考慮すると数分程度の増加が想定される。今後、JR九州との協議を行う中で、設備改良や快速運行など速達性向上の可能性も視野に入れながら、総合的に検討してまいる。次に、JR豊肥本線の1日に1本でも運休が発生した日数は、令和4年度が26日、5年度が12月末現在で22日と聞いている。仮に運休という不測の事態が起きても、利用者の皆様が代替手段の選択などを速やかに行えるよう、他の鉄道事業者の対応事例等を参考に対応するものと考えている。
3.危険な踏切
(質問)かまたさとる 危険な踏切とは、遮断機も警報器もない「第4種踏切」のことで、県内の現状と今後の改善に向けた取組について尋ねる。
(答弁)土木部長 県内の第4種踏切は56か所。令和3年度からは協議会において、踏切改良に向けた協議や事故防止に有効な対策及び統廃合事例の紹介、鉄道事業者が活用できる補助制度の情報提供等を行っている。今後も引き続き、事故防止対策の取組や踏切の統廃合に関する技術的助言や調整を行うなど、第4種踏切の解消に向け、関係者間で連携して取り組んでまいる。
4.高校入試制度改革
(質問)かまたさとる 今後、進む少子化の中で、特に郡部の高校の存続が大切。郡部の高校の魅力づくりに向けて様々な取組を行っているが志願者増につながっていない現状についてどう考えるか、熊本市一極集中の傾向が強い中、郡部の高校は、前期選抜で一定数の入学者確保ができなくなり、今以上に私立高校入学者が増加するのではという懸念をどう考えるか、入試を一本化した場合に、現在定員割れの郡部の高校への配慮をどう考えるか。
(答弁)教育長 郡部の県立高校においても、令和3年度比で定員充足率が7.9ポイント改善、定員割れの高校のうち5校が募集定員を満たすなど、一定程度の効果が現れてきていると考えている。今後、入試の一本化により出願高校は1校となるため、中学生が地元高校の特色を十分理解した上で受験校を選択できるよう、中学校と連携してまいる。引き続き選ばれる県立高校となるためにさらなる魅力化を図るとともに、その特色等が新入試制度に十分反映されるよう、各高校と連携し具体的な選抜内容の検討を進めてまいる。
5.若者の薬物使用
(1)大麻使用
(質問)かまたさとる 本県における大麻事犯の検挙者数とその推移、年齢層などの現状、若年層への啓発の取組、特に大学生への啓発の取組、SNSへの対策について尋ねる。
(答弁)警察本部長 令和5年中の県内の大麻事犯の検挙人員は55人と過去2番目で、20歳代以下の若年層が全体の約8割を占め、若年層における乱用拡大が見られると認識している。教育現場における薬物乱用防止教室の開催、若年層に人気がある県内プロスポーツチームと連携した啓発活動、大学の学園祭に県警察ブース設置など大麻の有害性や危険性の周知に努めている。サイバーパトロールで違法薬物販売情報を発見した場合は、SNS管理者やプロバイダー等への削除依頼、サイバー防犯ボランティアに対する研修会開催など活動団体拡大と活動活性化を図っている。
(2)オーバードーズ
(質問)かまたさとる オーバードーズは、10代の若年層を中心に拡大しており、薬の大量摂取が増えてきている。県として市販薬乱用の実態を把握するとともに、対策にどのように取り組むのか。
(答弁)健康福祉部長 県では、医薬品販売業者等に対し、あらゆる機会を通して周知するとともに、県庁ホームページ等を通じて情報発信を行っている。特に若年者に対しては、本年度からオーバードーズの危険性を呼びかけており、今後さらに徹底してまいる。

県政ニュース88号2024年新春

県政ニュース88号2024年新春を発行いたしました。

健やかに新年をお迎えのこととお慶び申し上げます。

昨年は、4月の県議会議員選挙におきまして7期目の当選を果たすことができました。すでに7期目の活動も9ヶ月が経過をしていますが、これからも生活者の声を政策に変えて県政に発信していきますので、皆様のご意見をお聞かせください。

元旦の夕方に能登半島を襲った大地震。犠牲になられた方々に心からお悔やみ申し上げますとともに被災された皆様にお見舞い申し上げます。今後被災地の復旧・復興、被災者の生活再建に向けて出来うる支援を全力で取り組んでいきます。

さて、現在の熊本県政は、台湾の半導体企業のTSMCの進出に伴う課題を中心に様々な取り組みが進められています。TSMCをはじめとする半導体産業の集積により10年間で約7兆円の経済効果が見込まれていますが、一方で、労働力確保、工場周辺の渋滞対策、地下水や工場排水など水の問題、大気への影響など多くの懸念事項があり、第2工場や第3工場の進出の動きも手放しで喜べない状況であると言えます。県民生活への負の影響を最小化し、企業進出によって得られる効果を県民全体にいかに配分していくのか、県民生活向上に寄与できる取り組みを進めていきたいと考えています。この他、効果が疑問視される川辺川ダムや空港アクセス鉄道、未だに解決しない水俣病問題などもあります。

3月には知事選挙が実施されます。さまざまな県政課題にいかに向き合うのか、新しいリーダーとなるべき人の政策を見極めて対応していきたいと考えます。

この他、国政では政権与党の政治と金の問題で、政治の信頼が失墜をしています。政策遂行が金によって歪められてきた可能性が拭えません。国も地方もまっとうな政治に変えていくために取り組みを進めていきます。

緊張感ある政治の実現に向けて、本年も活動を進めていきますので、引き続きご指導をいただきますようお願い申し上げます。本年が皆様にとりまして最良の一年になりますことを心からご祈念申し上げ、新年のご挨拶とさせていただきます。

12月定例県議会報告

昨年12月1日から19日まで開催され、緊急経済対策、TSMC周辺の道路整備や排水対策、営農継続に向けた農地の緊急確保対策、県全域の防災・減災対策などの事業等の予算541億円を一般会計に追加補正する予算案などの議案を審議し可決・承認しました。私たち立憲民主連合は、私学助成の拡充を求める請願の不採択と県が敗訴したノ―モア・ミナマタ近畿第2次訴訟判決への控訴する議案について反対しました。

12月議会の議論における特徴点は以下の通りです。

・蒲島知事が次期知事選に不出馬を表明

・八代地域に新たな県営工業団地を造成

・県道大津植木線の6車線化は2028年度中に完了

・2027入試から県立高校入試「前期・後期」の一本化

・空港旅客数2024年度はコロナ禍以前の340万人超えの見通し

 

県政ニュース87号2023秋

県政ニュース87号2023年秋を発行いたしました。

県議会での代表質問

TSMCに関する諸課題について

(1)県内地場中小企業への支援

(質問)かまたさとる  T S M Cや関連企業への人材流出が顕著になり、既存の県内中小企業の人材確保が困難な状況になってきている。最低賃金は10月8日には45円上がって898円となり、賃上げを実行するための基礎体力が十分ではないところも多く、この厳しい状況下で、労働環境の改善や賃上げを行う県内中小企業に対しての県としての支援策を講じるべき。
(答弁)知事  国や県の補助事業を活用して生産性向上や賃上げを実施する中小企業者に補助事業の自己負担を軽減する予算を今定例会に提案している。

(2)地下水涵養について

(質問)かまたさとる  T S M Cは地下水を1日約8千500トン採取し、その採取量を超える地下水を涵養する考えを表明しているが、T S M C をはじめ企業進出が増えて、涵養をする水田を確保するのは困難ではないのか。
(答弁)知事 白川中流域におけるかん養期間の拡大や冬期湛水の実施、自川中流域以外での水田湛水の拡充など、農業者の方々と連携し、具体策の検討を進めている。
農地以外においても、雨水浸透ますや雨庭、浸透性の調整池の設置など、地下水のかん養量を確保していく。

(3)排水対策について

(質問)かまたさとる 工場排水は、工場で浄化された上で、菊陽町の下水道を通り熊本市北区にある熊本北部浄化センターまで流されてくる。そこから、坪井川に流されるが、排水による汚染の検査は完全にできるか。
北部浄化センターで浄化処理を行なっているが、その際の汚染濃度の環境検査の数値を公表すべき。万が一センターで有害物質が発見された場合、その流入水を止めることは可能なのか。
下水道法に基づく有害物質の調査は28品目となっているが、県としてより多くの化学物質のモニタリング調査を行うべき。
(答弁)知事 工場排水に含まれる下水道法における対象物質は、関係法令に則って公表することは可能。これらの物質については、あらかじめ、公共下水道管理者の菊陽町が下水道法に基づき基準に適合していることを事前に確認している。
熊本北部浄化センターでは、これまでも問合せに応じ、検査結果を提供している。今後は、更に積極的な公表の方法を検討する。
また、有害物質が発見された場合については、各段階において県、菊陽町、企業が連携し、迅速かつ確実に対応する。
下水道法の対象外の化学物質については、県では熊本北部浄化センターの放流水も環境モニタリングの対象としている。モニタリングでは、規制外の18種類の金属類や有機フッ素化合物250種、そして1万種を超えるその他の化学物質等について、新たな工場が稼働する前後で変化がないか、客観的かつ科学的に環境の変化を把握していく。
「くまもと再発見の旅」不適切受給について
(質問)かまたさとる  T K Uヒューマンの調査を見逃すように指示した上司は知事ではないか。
タクシー券未使用分の160万円について、公金が含まれているので県は返還を求めるべき。この事業はそもそも、事業開始時点での制度設計がわかりづらく、どうにでも解釈されるような曖昧な部分があったのではないか。
県の内部調査だけではなく、第三者による調査をすると名言したが、第三者については、当事者や利害関係人との関係を一切排除した弁護士や学識経験者らを選任して、公正と透明性が担保された調査を行うべき。
(答弁)知事 幹部が見逃しを指示したとの疑いについては、県として第三者委員会の設置も含めて調査するが、私が見逃しを指示したということは一切ない。
タクシー券未使用分については、その適法性を調査する。
「くまもと再発見の旅」は短期間で制度設計を行い、事業を実施したことから、関係者間の連携不足や誤認等が重なったものだと思っている。
第三者の調査委員会については、外部の弁護士で構成する予定で、現在人選を急いでいる。今後、丁寧かつ迅速に調査を行う。
フリースクールとの連携と支援について
(質問)かまたさとる フリースクールやフリースクールに通う子どもたちへの経済的支援と、県とフリースクールなどの民間団体とが定期的に協議を行う場を設置すべき。
(答弁)知事 個々に様態の異なるフリースクールなどに対して、不登校児童生徒の十分な学びの保障と社会的自立の支援のためにどのような連携が可能か、子どもの居場所づくりの観点も含め、市町村とも研究を進める。
県教育委員会と知事部局の関係各課が連携して、フリースクール等の民間団体と、適宜、意見交換を行うことにより、全ての不登校児童生徒の学びの場の確保、居場所づくりに向けてしっかりと取り組む。
ケアリーバーへの支援について
(質問)かまたさとる 児童養護施設や里親などの社会的養護のケアから離れた「ケアリーバー」が施設等を退所した後、頼れる人がいなくなり孤立をしていないか、経済的に困窮していないか、必要な支援策を検討するための実態調査を行なうべき。
(答弁)健康福祉部長 今年度中に、ケアリーバーへのアンケート調査やヒアリングなどを実施し、調査結果を取りまとめ、その後の支援につなげていく。
ヘルメット着用率向上の取り組み
(質問)かまたさとる 本年4月、自転車利用者のヘルメット着用が努力義務となった。ヘルメットを購入するには経済的な負担が伴うので全国の複数の自治体では購入補助金制度を設けているところがある。県としてヘルメット着用を促す具体的取り組みを進めるべき。
(答弁)環境生活部長 ヘルメット購入の補助制度は、今後、努力義務化による着用率の変化や、既に当該制度を導入している他県等における効果等を見極めていく必要がある。
今後とも、警察や教育委員会、市町村、関係団体等と連携し、ヘルメット着用を促す取組みを着実に進める。
A Y A(思春期・若年成人)世代がん患者の支援
(質問)かまたさとる 思春期・若年成人世代をA Y A(Adolescent and Young Adult)世代といい、広くは15歳から39歳までを指す。
現在、40歳未満のがん患者は介護保険のサービスは利用できずに日常生活で必要な経費でも自己負担となっている。そのため、全国では静岡など12県で負担軽減のための補助制度を設けている。本県でもA Y A世代のがん患者の在宅療養支援の補助制度を設けるべき。
(答弁)健康福祉部長 AYA世代のがん患者が抱える介護費用の負担という全国的な課題には、国において一律に支援体制を整備すべきと考えており、これまでも支援制度の創設について、国へ要望してきた。今後も、国に対して支援制度の創設等を様々な機会を捉えて粘り強く働きかけるとともに、次期がん対策推進計画の策定過程における議論等を踏まえ、AYA世代のがん患者が安心して療養生活を送れるよう、更なる取組みを進める。

県政ニュース86号2023夏

連日厳しい暑さが続いていますが、いかがお過ごしでしょうか。

4月に行われた県議会議員選挙におきまして7期目の当選を果たすことができました。今回の県議選の特徴点は新しい政党が議席を得たこと、女性の議員が1名から5名に増えたことです。私の所属する会派「立憲民主連合」は4名の議員で構成していますが、うち2名が女性議員で男女比率50%になり、私が選挙戦で訴えてきました「県民一人ひとりの多様性を認め合う県政を」進めていくにふさわしい会派構成になりました。引き続き、生活者目線の県政の推進に全力を傾注していきますのでご指導をよろしくお願い申し上げます。

さて、改選後初の定例県議会となりました6月定例県議会は、6月6日から26日までの会期で95億8300万円を増額する一般会計予算案を含む計24議案を可決、承認しました。補正予算案には、物価高で困窮する高齢者施設や保育施設、公共交通事業者に対する支援事業費、L Pガス利用世帯への助成費などが盛り込まれています。

私たち立憲民主連合からは、議員提案議案としてマイナカードのトラブルが相次ぐことから、国に対して、来年秋の健康保険証廃止を行わないよう県議会から声をあげていこうと「健康保険証の存続を求める意見書」を本会議に提案して提出者説明を行いましたが、自民・公明・維新と無所属議員の一部の反対により否決されました。多くの県民がマイナ保険証に一本化して健康保険証を廃止することに不安を覚えていて、医療機関、介護施設、自治体職員などが不安や負担を抱えている中での健康保険証廃止については一度立ち止まり、当初方針通りにマイナ保険証と紙の保険証の選択制か両方使える併用制で運用すべきです。意見書は否決されましたが、引き続き来年秋の健康保険証の廃止はやめるべきとの声を国に上げていきます。

6月議会では、私の一般質問はありませんでしたが、他議員の一般質問で示された県の考え方の主なものを紹介します。

○菊陽町への半導体メーカーTSMC進出に伴う交通渋滞対策として、付近で国が整備を進めている中九州道路に新たなインターチェンジ設置を目指す方針を表明。あわせてI Cと新工場一帯を結ぶ道路の新設を検討。

○T S M C進出を機に露呈している土地不足で農地が失われる対策として、新たな土地と借地を必要とする農家をマッチングする仕組みを作るプロジェクトチームを県庁に設置する。

○熊本市内2ヶ所の井戸で検出された有機フッ素化合物(P F A S)について、県内17ヶ所の地下水や河川で7月から調査をする。

また、私は今年度、高速交通ネットワーク整備推進特別委員会と厚生常任委員会に所属することになりました。厚生常任委員会では、コロナウィルスのワクチン接種による健康被害の県内の状況について質問し、国の審査会への申請が令和4年度で60件(死亡8件)ありまだ2件(死亡0)しか認定されていませんでしたので、ワクチン接種を国も県も奨励してきたわけですので万が一の時の救済はきちんとやるべきとの思いで、国に対して健康被害認定作業のスピードアップを求めるよう要望しました。

次の9月議会では会派を代表しての代表質問を行う予定です。これからも生活者の皆様の声をお伺いして「ブレずに直球」を投げ続けていきますので、引き続きのご指導をよろしくお願い申し上げます。

県政ニュース85号2023年新春

県政ニュース85号2023年新春を発行いたしました。

新しい年を健やかにお迎えのこととお慶び申し上げます。
さて、新型コロナウィルス感染症も第8波となり引き続き感染予防に万全を尽くさなければなりません。私は、引き続き県民の健康や命を守るために、県に対して無料検査の継続、療養・医療体制の強化などを求めていきます。その他、県政には熊本地震や豪雨災害からの復興、台湾の半導体企業TSMCの菊陽町への進出、空港アクセス鉄道、流水型ダムなど重要な課題が山積しています。本年も山積する県政の重要課題に県民目線で対応していくため引き続き生活者の代弁者として活動を進めていきますので更なるご指導とご支援をよろしくお願い申し上げます。
昨年の12月議会で任期中最後になる一般質問に立ちましたので、その要旨を報告します。
空港アクセス鉄道について
(質問)かまたさとる 知事は、空港アクセス鉄道は豊肥本線の肥後大津駅からの延伸で進めるという方針を示したが、空港アクセス鉄道は400億円を超える巨額の事業費を要する。その事業費を負担する県民が、その必要性を痛感して納得性が得られるような事業でなければならないが、需要予測の見通しも甘いし、どれだけの県民がこの鉄道を利用するのかということも冷静に考えるべき。赤字が長引けば、その負担は県民が負い続けることになる。他の交通手段と比較してもアクセス鉄道が有益であるという説明責任を果たすべき。
(答弁)知事  空港アクセス検討委員会で「鉄道」「モノレール」「市電」「BRT」について、「定時制」「速達性」「大量輸送性」「早期実現性」の観点から総合的に検証。その結果、「鉄道」が最も効果的かつ、より早期に実現できる可能性が高いとの結論。この結論は、それぞれの交通システムの特性等を総合的に比較した結果であり、3ルートのいずれであっても鉄道の優位性は変わらない。アクセス鉄道を将来にわたり持続可能な鉄道路線とするため、JR九州との協議を進めるとともに、国に対し財政支援などの特別な配慮を要望して参る。
流水型ダムの環境アセスメントの進め方について
(質問)かまたさとる 環境アセスは、事業の環境への影響を予測して十分な環境保全対策を実施するために、配慮書、方法書、準備書、評価書の4段階の手続きを行う。現在の方法書段階で公表された方法レポートにはダムの概要イメージ図として電信柱のようなものが記載してあるだけで、流水型ダムのトンネルの長さや構造、付属設備の概要、副ダムの構造や段差の高さなど記載されていない。設備等の構造図等が示されなくては、環境や生物に与える影響について、どんな調査がどのくらいの期間必要なのか調査項目や方法を検討することはできない。
また、方法レポートに関して流域内での説明会が主な自治体7か所で開催されたが、八代市の説明会会場は、旧泉村であり、流域の芦北町でも開催されていない。国交省の見解は、他のダムの事例も踏まえて、ダム建設によって球磨川流域で影響が出るのは球磨村渡地区までとのこと。川はつながって流れているのでダムの影響は、渡地区にとどまらずその下流の芦北町や八代市街地や海まで及ぶはず。
知事は方法レポートのやり直しを国交省に求め県民に対し十分な説明と意見募集を行うべき。
(答弁)知事  国は、ダムの設計や運用等の検討に当たっては、検討の進捗に応じ、改善を試みながら深化させていく旨、表明している。このように、環境アセスメントの手続きと並行して、具体的なダムの構造や環境への配慮内容等が明らかになり、説明されていくものと認識している。法では、説明会について、縦覧期間内に、対象事業に係る「環境影響を受ける範囲であると認められる地域内」において開催しなければならないと規定。その「地域」に関する国の見解は、法に基づくアセスメントを行ったほかのダムも参考に、「ダム集水域の3倍程度の流域面積に相当する地域まで」として、今回は、「ダムの集水域を含む川辺川流域及び川辺川合流点から球磨村渡地点までの球磨川の自治体としている」と伺っている。
県としても、準備を進めている事業の方向性や進捗を確認する仕組みの中で、流水型ダムについて、流域市町村や流域住民の皆様と一体となって、しっかりと確認して参る。
里親やファミリーホームの支援について
(質問)かまたさとる 現在全国で家族と暮らせない子どもは約45,000人で、そのうち熊本県は約640人。そのほとんどが乳児院や児童養護施設で暮らしているが15.6%の100人が里親家庭やファミリーホームで暮らしている。
ファミリーホームとは、家庭で暮らせない子どもたち5〜6名を養育者の家庭に迎え入れて養育する「家庭養育」として設置されているもので、熊本県では平成23年から開設されていて、現在県内に8ホームある。
里親の場合は、さまざまな機会において、里親とその委託児童の関係性を明らかにしなければならない場面があり、自治体によっては、独自に作成した携帯用の証明書の発行を行っている自治体があるが、熊本県ではまだ導入されていない。
また、国は、令和3年度より児童養護施設等体制強化事業の中に、ファミリーホームの業務負担軽減策として、通常、措置費の対象は、養育者2人と補助者1人の経費が想定されているが、更に追加の補助者が配置できるようになっている。
熊本県において、里親やファミリーホームに対してどのような支援を行っていくのか。
(答弁)健康福祉部長 県では、社会的養育推進計画において、里親委託率の目標を設置し、様々な取組みを進めている。具体的には、フォスタリング機関を2カ所開設し、児童相談所等との連携を強化し、里親やファミリーホームへの支援を継続的に行っている。里親の携帯用証明書は具体的な準備を進めており、ファミリーホームの補助者の雇い上げの支援は検討に着手した。
児童相談所について

(1)第3者評価について

(質問)かまたさとる かまたさとる 県の中央児童相談所において、虐待を疑われる兄弟が一時保護された後、1人がコロナに感染したことが判明して、翌日には虐待があったとされる親の元に返している。私は、この対応は非常に問題であると考えている。虐待から子どもを守る立場の児童相談所としてこの対応は適正だったのか。この対応についての評価をはじめ第三者評価を実施することによって、業務の質の確保・向上に努めなければならない。
(答弁)健康福祉部長 児童相談所の第三者評価は、子どもの権利擁護機関として機能しているのかを確認するために有効な手段と考えている。そこで、今年度、中央児童相談所の第三者評価を実施することとしている。第三者評価をとおして、課題の把握や改善に努め児童相談所がしっかり機能するよう質の向上を図って参る。

(2)子どもアドボカシーについて

(質問)かまたさとる 虐待を受けている子ども本人から本心を聞き取ることは容易ではない。子どもの意見を聞いて、児童相談所等にその意見を代弁する支援員が必要。県として子どもの意見に耳を傾け、その権利を守る「子どもアドボカシー」について、どのように取り組んでいかれるのか。
(答弁)健康福祉部長 県では、令和6年度の改正児童福祉法施行に先立ち、今年度から子どもの意見表明に関するモデル事業に取り組んでいる。具体的には、意見表明支援員の養成講座を実施するとともに、児童福祉施設や一時保護所の子どもへの意見聴取の取組みを開始したところ。今後は、モデル事業の検証を行いながら、子どもの最善の利益を目指した仕組みづくりを進めて参る。
夜間中学について
(質問)かまたさとる
・来年4月開校予定の夜間中学の設置場所である湧心館高校には全日制に加えて定時制・通信制課程がある。施設利用など湧心館高校の教育活動に支障がない教育課程となるように施設設備等も準備を。また安易に、湧心館高校と兼務で管理職や教職員の配置をしないように対応を。
・入学対象者は「熊本県在住の15歳以上で、義務教育を終了していない方や卒業しても不登校等の理由で十分に学ぶことができなかった方」とされているが、中学1年から3年までの学齢の不登校生徒を受け入れることはできないか。
・1学年の人数は20人程度とされているが、夜間中学は、年齢や国籍がさまざまな生徒が同じ教室で学ぶことになり、多様な生徒を教えるには教員の負担も大きく20人をさらに分割できないか。
(答弁)教育長
・夜間中学の施設利用については、新設する校舎で、授業の大部分を行う予定。その上で、理科や体育などの一部の授業は、湧心館高校の施設を使用することとなるが、定時制の教育活動に支障が生じないよう調整する。管理職や教職員の配置については、教育効果が高まるよう先進校の事例を参考にしながら、個別の支援を行う学習支援員の配置やボランティアの活用も含めて検討する。
・学齢期の不登校生徒の受け入れについては、学校、市町村教育委員会の意見及び先進的な取組みを行っている他県の情報を収集し、夜間中学の受入れ対象者について研究を深める。
・1学年の人数を20人程度としたのは、すでに設置されている夜間中学の定員や入学者数の状況を踏まえて設定した。実際の授業においては、学習内容に応じて個別指導やグループに分けた指導を取り入れるなど、効果的な学びの体制づくりに取り組んでいく。
時給引上げ事業者支援について
(質問)かまたさとる 熊本県の最低賃金は32円引き上げられ時給853円になった。
一方で最賃の引き上げは中小企業の経営に大きな影響を与えるので、厚生労働省は賃金引き上げと設備投資などを行った企業に対して、「業務改善助成金」を拡充するなどの支援を強化している。しかし、それだけでは物価高・資材高騰などによって厳しい経営環境におかれている中小企業にとって不十分なので、県が上乗せ支援すべき。
(答弁)商工労働部長 業務改善助成金への県独自の上乗せは財源確保等の課題により、現時点では実施予定はないが、今回の国の経済対策では、事業再構築・生産性向上等を一体的に行う賃金の引上げへの支援を大幅に拡充する。県では、国の施策の動向を注視しながら、商工団体との連携を密にし、厳しい経営環境におかれた中小企業者、小規模事業者の方々をしっかりと支えて参る。