県政ニュース75号2020年新春を発行いたしました。
昨年は、全国で大雨や台風による大規模な災害が数多く発生しました。私たちは気候変動に対して敏感に対応していく必要があります。また、沖縄県の首里城で大規模な火災が発生しました。沖縄県民の喪失感は熊本城が熊本地震で被災した際の熊本県民の気持ちと同様なものであると推察し、辺野古埋め立て反対で連帯している玉城デニー沖縄県知事への激励の思いも込めて、地域政党くまもと民主連合で、台風19号復興や首里城再建支援の街頭募金活動を行ってきました。また、昨年は熊本でラグビーワールドカップや女子ハンドボール世界選手権大会が開催されその成功に向けて取り組みを進めた年でもありました。
熊本地震からの復興・復旧につきましては、地震発生から3年9カ月が経過して、ピーク時には4万8千人にのぼった仮設住宅等への入居者のうち、約4万3千人の方々が住まいの再建を実現されました。しかし未だに、様々な事情があって仮設住宅から退去できない方も約5,000人いらっしゃいます。それぞれの事情に寄り添った支援の継続が必要です。
政治的には、昨年は12年に一度の統一自治体選挙と参議院議員選挙が開催された年でした。私自身は、4月の県議選において6期目の当選を無投票というかたちで果たすことができました。県議選の無投票は私の熊本市第2選挙区(西区・南区)だけではなく、県内の21選挙区のうちの13選挙区が無投票で当選者を決めています。そして投票率は史上最低の46.53%、その後の参院選では投票率は47.23%と過去最低を更新しました。このように、政治への関心が低くなっていることにより、政治が緊張感をなくしています。関心が低いから何をしても良いという考えで自分の都合のいいように権力者が物事を進めてしまうと社会が大変なことになってしまいます。総理主催の「桜を見る会」でそのことが浮き彫りになりました。予算を大きく上回る人数の自分の支援者を招待し、その中にはマルチ商法で行政処分を受けている人や反社会勢力と定義される方までが招待されていることが問題になりましたが、その事実を問われるとすぐに招待者名簿をシュレッダーにかけてデータを削除してしまいました。国の最高機関の官邸がとても考えられない行為を行っていることが明らかになりました。また、自分たちを正当化するために反社会勢力についてはこれまでの定義を見直して「その時々で判断する」と都合がいいように閣議で決めてしまいました。まさに権力の私物化、極まれりです。権力があるものは何をしても許されるということになれば、この社会は完全に歪んでしまいます。
そして、安倍総理は自分の手で憲法改正を行うと表明されていますが、憲法改正は国会が発議し国民投票で行うものです。とんでもない勘違いであり権力を抑制する憲法改正さえも私物化をしようとしています。また、公職選挙法違反の恐れがある閣僚は、閣僚を辞任してしばらく隠れていればおとがめなしということも納得できません。このように政権が権力を私物化していると社会の秩序が保てなくなります。長期政権のおごりや緩みは看過できません。政治がもっと緊張感を持つために、政治にもっと関心をもっていただいて今の政権が何をやっているのかを厳しくチェックして声をあげていただきたいと思います。私もしっかりと情報発信を続けて今の政治をおごりのない生活者目線の政治に変えていく取り組みを進めていきます。
県政につきましては、先述しましたように熊本地震からの創造的復興を進めながらも、厳しい立場にある人をおきざりにしない政治を進めてまいります。3月には県知事選挙が行われます。国政にみられる長期政権によるおごりや緩みは県政にないのかということも含めて、知事選挙をとおして現在の県政の課題や今後進めるべき県の政策について、より多くの県民の皆さんに関心を持ってもらえるように取り組んでいきます。
今年も引き続き生活者目線の政治姿勢を貫いてまいりますので、ご指導ご支援をよろしくお願い申し上げます。