県政ニュース84号2022年秋

県政ニュース84号2022年秋を発行いたしました。

県民目線でしっかりと議論を

初秋の候、皆様には健やかにお過ごしのこととお喜び申し上げます。

さて、9月9日から10月5日まで9月定例県議会が開催されました。新型コロナウイルス対策の強化、八代海の赤潮被害にあった養殖業者支援策、災害復旧費用など総額112億円を追加補正する一般会計補正予算などの議案を可決承認しました。

9月定例県議会では、新型コロナウィルス対策をはじめ、2020年7月の豪雨災害を受けて8月に県と国土交通省が球磨川支流の川辺川に整備する流水型ダムを治水対策とする河川整備計画を策定したことについて、私たち立憲民主連合は、市民団体の検証では豪雨の犠牲者は支流の氾濫であり、ダムを造って球磨川の水位を下げても対策にならないので、流域住民や問題提起をしている市民団体と共同検証を行った上で、河川整備計画を策定するべきと求めましたが、知事は、学識経験者や流域市町村の首長の意見を踏まえて計画を策定したので、検証する考えはないと否定しました。線状降水帯の発生など雨の降り方が変化している中で、一つの地点だけで増水を一時的に抑えるダムでの治水はその効果に疑問を抱かざるを得ません。多額の税金がつぎ込まれる事業ですので、ダムありきではない効果的な治水対策を講じるべきです。

また、J R豊肥本線からの延伸で空港までのアクセスを改善しようと県が計画している空港アクセス鉄道について、半導体受託製造の世界大手のT S M Cの菊陽町進出を受けて、県がこれまで検討を進めてきた三里木駅からの分岐に加えて原水駅、肥後大津駅からの分岐ルートも検討を進めてきましたが、その検討試算で、肥後大津ルートが費用対効果が高かったことが明らかになりました。まだ方針決定はされていませんが、知事は議会の答弁で、肥後大津駅からのルート案について「将来の発展性を感じる」と述べて、現時点では肥後大津案を有力視する考えを示しました。

この問題は、私が所属する高速交通ネットワーク整備推進特別委員会でも議論になり、私からは、○TSMCや関連企業で働く人の豊肥本線乗車は増えることは想定されるが、空港を頻繁に利用することは考えづらい○現在肥後大津駅から空港まで県が乗車費用を負担している無料タクシーの空港ライナーの1日あたりの利用者は200名に満たない。TSMCができたからといって肥後大津駅から空港まで1日あたり4900人が利用するとはとても考えられない。○需要予測のベースになっている30年後の航空利用者数の622万人(これまでの熊本空港航空利用者の最高人数の倍)が過大すぎるので見直すべき○肥後大津駅から車で15分で空港に行けるのだからバスでもいいのではないか○いずれのルートも税金を400億円以上も支出する事業なので、進めるのであれば多くの県民がその必要性を納得するように、より妥当性がある予測数値を基にした説明が必要だと申し述べました。

その他にも県政の課題は色々ありますが、引き続き皆様のご意見も賜りながら県民目線での議論をしていきますので、よろしくお願い申し上げます。