県政ニュース84号2022年秋

県政ニュース84号2022年秋を発行いたしました。

県民目線でしっかりと議論を

初秋の候、皆様には健やかにお過ごしのこととお喜び申し上げます。

さて、9月9日から10月5日まで9月定例県議会が開催されました。新型コロナウイルス対策の強化、八代海の赤潮被害にあった養殖業者支援策、災害復旧費用など総額112億円を追加補正する一般会計補正予算などの議案を可決承認しました。

9月定例県議会では、新型コロナウィルス対策をはじめ、2020年7月の豪雨災害を受けて8月に県と国土交通省が球磨川支流の川辺川に整備する流水型ダムを治水対策とする河川整備計画を策定したことについて、私たち立憲民主連合は、市民団体の検証では豪雨の犠牲者は支流の氾濫であり、ダムを造って球磨川の水位を下げても対策にならないので、流域住民や問題提起をしている市民団体と共同検証を行った上で、河川整備計画を策定するべきと求めましたが、知事は、学識経験者や流域市町村の首長の意見を踏まえて計画を策定したので、検証する考えはないと否定しました。線状降水帯の発生など雨の降り方が変化している中で、一つの地点だけで増水を一時的に抑えるダムでの治水はその効果に疑問を抱かざるを得ません。多額の税金がつぎ込まれる事業ですので、ダムありきではない効果的な治水対策を講じるべきです。

また、J R豊肥本線からの延伸で空港までのアクセスを改善しようと県が計画している空港アクセス鉄道について、半導体受託製造の世界大手のT S M Cの菊陽町進出を受けて、県がこれまで検討を進めてきた三里木駅からの分岐に加えて原水駅、肥後大津駅からの分岐ルートも検討を進めてきましたが、その検討試算で、肥後大津ルートが費用対効果が高かったことが明らかになりました。まだ方針決定はされていませんが、知事は議会の答弁で、肥後大津駅からのルート案について「将来の発展性を感じる」と述べて、現時点では肥後大津案を有力視する考えを示しました。

この問題は、私が所属する高速交通ネットワーク整備推進特別委員会でも議論になり、私からは、○TSMCや関連企業で働く人の豊肥本線乗車は増えることは想定されるが、空港を頻繁に利用することは考えづらい○現在肥後大津駅から空港まで県が乗車費用を負担している無料タクシーの空港ライナーの1日あたりの利用者は200名に満たない。TSMCができたからといって肥後大津駅から空港まで1日あたり4900人が利用するとはとても考えられない。○需要予測のベースになっている30年後の航空利用者数の622万人(これまでの熊本空港航空利用者の最高人数の倍)が過大すぎるので見直すべき○肥後大津駅から車で15分で空港に行けるのだからバスでもいいのではないか○いずれのルートも税金を400億円以上も支出する事業なので、進めるのであれば多くの県民がその必要性を納得するように、より妥当性がある予測数値を基にした説明が必要だと申し述べました。

その他にも県政の課題は色々ありますが、引き続き皆様のご意見も賜りながら県民目線での議論をしていきますので、よろしくお願い申し上げます。

県政ニュース83号2022年春

県政ニュース83号2022年春を発行いたしました。

県議会での一般質問

アサリ産地偽装問題について
(質問)かまたさとる 県の統計資料「熊本県の水産」で漁獲量と取扱量に大きな差が明らかになっていたのに、それが見過ごされていた。県行政の信頼が損なわれた一連の対応について第三者も交えての検証を行い再発防止策を講じるべき。1970年代後半からコンクリート材料として川底の砂や干潟に堆積する砂が減少して生育環境の悪化で80年代から漁獲量が減少している。気候変動により頻発する大雨によって大量のヘドロが流れ込んだり、大型公共工事や事業所排水、農薬などの影響でアサリの生育環境が変化している。アサリの漁場回復にも力を入れていくべき。
(答弁)知事  県内の生産量を大きく上回る市場での流通実態に気づかず、偽装の可能性について踏み込んだ対応ができなかったことは反省しなければならない。アサリ資源の回復は漁業者の取組みの推進と、県も履砂事業に取り組むなど継続的な支援を行っている。今後とも、漁業者をはじめ関係機関と力を合わせて迅速かつ着実に取り組みを進める。
新型コロナウィルス感染症対策について

(1)無料P C R検査の継続

(質問)かまたさとる 現在、感染に不安がある無症状の県民を対象に無料P C R検査が実施されている。感染拡大の防止のためには、早期発見、早期隔離が必要。無料P C R検査の継続実施を求める。
(答弁)知事 全国的な検査キット不足に伴い、まずはクラスターが多く確認されている高齢者施設や小学校・保育所の従事者など、より優先度が高い方への検査に重点化を図りたい。そのうえで、無料P C R検査の継続については、検査キットの供給や感染状況等を踏まえて検討する。

(2)コロナウィルス感染症の後遺症対策

(質問)かまたさとる コロナ完治後の後遺症について、周囲の理解とサポートが受けられる啓発も含めた環境整備が必要。他都道府県では後遺症の専用相談ダイヤルを設けて相談を受け付けているが、熊本県も後遺症相談の専用窓口を設けるべき。
(答弁)知事 後遺症の理解が深まるようにホームページで最新の知見や関係情報を発信するなど啓発に取り組む。後遺症を含めた新型コロナに関する相談は専用相談窓口で一元的に受け付ける。

(3)生活困窮学生支援

(質問)かまたさとる まん延防止特別措置で飲食店が時短営業してバイトのシフトがなくなって収入を失った学生が多く出ている。県独自で取り組んだ生活困窮学生向けの給付金交付事業を再開すべき。
(答弁)知事 県内大学と連絡を密に取り合い学生の経済状況の把握に努めている。引き続き、学生の状況を的確に把握し必要な対応を行う。
空港アクセス鉄道について
(質問)かまたさとる アクセス鉄道の需要予測の前提条件である将来の旅客数は、熊本空港の運営会社が掲げる「2051年度はコロナ禍前の2019年度実績の約2倍の622万人」という想定に基づいている。この過大と指摘せざるを得ない2051年度見込みの622万人という旅客数について見直した上で調査検討を行うべき。
(答弁)知事 2051年度に航空旅客数を622万人とする目標値は熊本国際空港株式会社が専門的知見に基づき算出したもの。現在、コロナの影響で航空旅客は大幅に減少しているが、この目標値は今から30年後の長期的なもの。この目標の実現に向けて取り組んでいく。
球磨川水系河川整備計画の策定について

(1)住民及び知事の意見聴取について

(質問)かまたさとる 河川整備計画策定過程において、住民の意見聴取にあたって、住民とは被災者だけを指すのか、流域の住民全体を対象と考えるのか。知事が国に意見を述べる際に、関係者の意見を聞くのか。
(答弁)知事 意見は被災された方々に限らず、広く流域住民の皆様から伺いたいと考えている。知事として意見を述べる際には、流域市町村長の意見を伺うとともに住民の皆様からいただく意見も考慮する。

(2)山の保水力回復について

(質問)かまたさとる 治水政策として山の保水力回復が重要だが、それを流域治水の一環として考え、河川整備計画の中に盛り込むべき。
(答弁)知事 河川整備計画には、森林・林業の関係者との連携強化を盛り込む。

(3)流水型ダムの呼称について

(質問)かまたさとる 「流水型ダム」はゲートを設置して貯水も行う構造のダムなので、流水型ダムという呼称はふさわしくないのではないか。以前の川辺川ダムと同じ場所で、ほぼ同規模のダムなのに、なぜ川辺川ダムとは言わないか。何か印象操作的に感じる。
(答弁)知事 一般にゲートの有無に関わらず、平常時に水を貯めないダムは「流水型ダム」と呼ばれている。このダムは平常時に水を貯留する「川辺川ダム」とは、目的・構造・運用面において異なるものと捉えている。
自伐型林業の支援について
(質問)かまたさとる 環境保全と生業づくりを両立させる小さな林業の「自伐型林業」は、比較的規模の大きな面積の森林を一度に伐採する「皆伐施業」とは対照的に、間伐を約10年間隔で繰り返す長伐期多間伐施業。木がある状態が維持されるので、土砂災害を抑える効果が認められている。自伐型林業が参入しやすい環境づくり、実践的指導の支援、補助金など、自伐型林業の推進に向けた支援を。
(答弁)農林水産部長 これまで新規参入者の意向に応じて、地域の林業関係者に受け入れられるよう市町村、林業事業者及び森林所有者との橋渡しを行っている。新規参入者へ林業経営の改善及び林業技術の向上を目指し組織された林業研究グループへの加入を推進しており、実践的な指導の場にふさわしい。補助金については、自伐型林業者等の小規模林業であっても森林組合等と同様に既存制度での補助対象者となっており、補助内容も同じ。自伐型林業は、高齢化や過疎化等により林業の担い手不足が深刻化する中で、地域のきめ細かな森林の管理に資するものであり、引き続き支援を行う。
女性の社会参画推進と県職員の労働環境改善について
(質問)かまたさとる 県庁の本庁知事部局における課長以上の管理職の女性の割合は12.6%と低い。県職員の男性の育児休業の取得率は3.9%で全国最低。仕事量と人員のバランスが全く取れていない状態で、女性職員の管理職登用や男性の育児休業取得は難しい。男女共同参画の県庁組織とするために職場環境の改善を図るべき。
(答弁)知事 職員のワーク・ライフ・バランスを実現できる職場づくりに取り組むとともに、女性の社会参画の推進を図って参る。
孤独・孤立対策について
(質問)かまたさとる 社会全体のつながりが希薄化している中で、新型コロナウイルス感染症拡大により、人との接触機会が制約されたことで、「孤独・孤立」が問題となっている。対策の強化を。
(答弁)健康福祉部長 生活困窮者やひきこもりの方、ヤングケアラーの相談支援体制を充実するなど、孤独・孤立の予防につながる施策を更に強化する。孤独・孤立対策は不登校児童生徒への支援や、雇用・就労の促進、住宅確保の支援など幅広い分野が関係することから、庁内関係部局との連携を更に強化し、全庁的に取り組みを進める。
労働者協同組合の支援について
(質問)かまたさとる 働く人が自ら出資し、運営に携わる「協同労働」という新しい働き方を実現する労働者協同組合法が本年10月に施行される。県として、新しい働き方であるこの「労働者協同組合」をどのように推進していくのか。
(答弁)知事 市町村や関係団体への説明会を行うとともに、国と連携して県民へ広く周知し、制度の活用に向け取り組む。
教員不足対策について
(質問)かまたさとる 熊本県内においては、昨年5月1日時点で135人が不足。教員不足の要因は、育児休業の取得、病気による休職、特別支援学級の増加などがあげられているが、そもそも過酷な労働環境により教員のなり手が減少していることにあると考えられる。県内の不足教員の対策状況、教員の労働環境の改善などの教員不足解消に向けた取り組みについて尋ねる。また、他府県では、定年退職前に、介護や育児を理由に離職した教員を一般の志願者が受ける試験を免除して再雇用する制度を設けている教育委員会があるが、熊本でも試験の負担が軽くなるような再雇用の制度ができないか。
(答弁)教育長 大学訪問による説明会の実施をはじめ様々な方法で教員確保に取り組んでいる。当面の対応として退職者への働きかけを行い来年度の再任用教職員は小中学校で80人の増加になる。部活動指導員の拡充など「働き方改革推進プラン」の取り組みも加速化する。提案の離職教員再雇用制度は現在の特別選考の要件緩和を検討する。
ヤングケアラー支援について
(質問)かまたさとる 昨年秋に実施した実態調査の結果を踏まえて、具体的にどのような支援を行うのか。
(答弁)健康福祉部長 いつでも気軽に相談できる相談窓口の設置とともに当事者同士が悩みや経験を共有するサロンの開催など寄り添った支援を行う。学校を通じて子どもたちの認知度向上につとめ、市町村や教育機関等と連携し、関係者の理解促進や対応力の向上を図る。

県政ニュース81号2021年夏

県議会報告

県政ニュース81号2021年夏を発行いたしました。

熊本地震から5年経過後の諸問題について

(1)災害公営住宅で生活する被災者の孤立化対策について

(質問)かまたさとる 熊本地震の発生から5年が経過。東日本大震災では5年目以降に孤独死が増えた。災害公営住宅で生活する被災者がどのような生活環境、どのような健康状態にあるのか、把握して支援していくべき。
(答弁)健康福祉部長  県では訪問調査等を実施し、生活再建上の課題が生じていないか把握している。また、心のケアなどに関する調査を毎年実施し、かつ、民生委員やボランティア等といった民間事業者の協力を通じて支援が必要な方を把握している。加えて、地域福祉活動のリーダーとなる人材の育成に取り組み、コミュニティーの形成を支援しているが、今後も体制の構築に努めていく。

(2)福祉避難所について

(質問)かまたさとる 災害時に特別な配慮が必要な高齢者や障害者、妊婦、乳幼児、などのために設置される福祉避難所の機能強化について県の取り組みは。
(答弁)健康福祉部長  福祉避難所について、平常時からの取組を体系的に示した福祉避難所運営マニュアルを平成29年8月に作成し、市町村の取組を支援した。また、熊本県災害派遣福祉チームを設置し、運営体制を強化するとともに、福祉避難所の制度周知等も行っており、今後も福祉避難所の機能強化を進めていく。

(3)ペット同行避難について

(質問)かまたさとる 災害時のペット同行避難は被災者全体の問題として考えるべき。環境省のガイドライン、チェックリストを参考にして「熊本県の同行避難ガイドライン」を策定すべき。また、災害時の同行避難支援を行うために、平常時から民間団体と連携し、人材の育成も行うべき。
(答弁)健康福祉部長  ガイドラインに関しては県で作成している手引きの見直しの中で検討する。また、熊本地震以降、毎年、保健所職員等を対象として民間団体から専門の講師等を招いた研修会の開催や国主催の研修会への参加などにより災害時にペットの同行避難に対応できる人材の育成を行なっており、今後は、更に研修の対象をボランティア団体や市町村職員等に広げる。

(4)避難所以外の避難者への対応について

(質問)かまたさとる 熊本地震では多くの県民が車中泊を経験。災害時における車中泊や自宅避難などの避難所以外の避難者を把握するための県の取組みは。
(答弁)知事公室長  昨年4月に車中泊等の避難場所以外避難に関する今後の取組の方向性と具体的取組例をまとめた。また、地域防災計画にも避難所外避難者への対応を位置づけ、市町村における取組を後押ししている。引き続き、避難所外避難者への支援が確実に行えるよう取り組んでいく。
新型コロナウイルス対策について

(1)コロナ宿泊療養施設の担当職員のワクチン接種について

(質問)かまたさとる コロナ感染者の宿泊療養施設の担当をしている県職員に早急にワクチン接種を行い、感染リスクが少しでも軽減される状況で業務に従事できるようにすべき。
(答弁)健康福祉部長  施設の非感染エリアで連絡調整を担当する県職員など、感染リスクの比較的高い職員等については、一般接種の段階で、新たに立ち上げる県民広域接種センターの活用も含め早期の接種を検討する。

(2)東京オリンピック・パラリンピックの警備に派遣される警察官のワクチン接種について

(質問)かまたさとる 東京オリ・パラに警備に行く警察官が、東京に日帰りでワクチン接種にいっているが、緊急事態宣言地域の東京に行くことは感染リスクもあるし、その交通費を考えた場合、県内の市町村の優先接種枠を活用して対応すべき。なぜ緊急事態宣言地域である東京にワクチン接種に行かなければならないのか、接種のための交通費はどこが負担するのか。
(答弁)県警本部長  派遣する警察官の一部については、東京都で実施されている警察官等へのワクチン接種の対象に含まれていて、現在、接種を受けている。これらの警察官については、東京都公安委員会の援助の要求に基づき派遣され、期間中、東京都での警戒警備に従事することなどを踏まえ、接種対象者に加わることとなったもの。今回の上京の旅費は国が負担する。

(3)東京2020オリンピック・パラリンピックのライブサイトについて

(質問)かまたさとる パブリックビューイングを含むライブサイトを熊本城ホールで開催することが企画されているが、コロナ禍において人流抑制が求められている中で、自宅のテレビで十分に観戦できるオリ・パラをわざわざ人を集めて観戦する必要はない。
(答弁)知事 東京オリパラについては私から小池都知事に対して、東北3県に加えて、熊本県についても復興五輪に位置付けてもらい、熊本地震からの復興を是非応援してほしいと要望していてそのことが熊本でのライブサイトの開催となった。県内の感染状況を注視しながら県民の安全・安心の視点に立って対応する。
空港アクセス鉄道について
(質問)かまたさとる 空港アクセス鉄道については事業費が多額であり、コロナ禍で空港利用者が激減をしている現状の中で、急ぎ結論を出す必要は全くない。
熊本県新広域交通計画での熊本市中心部と空港を約20分でつなぐ「熊本空港連絡道路」が新規路線として追加されている。この道路が整備されれば、短時間で熊本市中心部から空港までをバスで結ぶことができる。その道路を利用したバスとの比較検討も行うべき。
鉄道の方が大量輸送性で優位であるのならば、乗り換えなしの豊肥線からの直接乗り入れにしなければダメだ。これからの検討材料に、直接乗り入れを行う場合の事業費、空港に向かう車両と大津方面に向かう車両に分ける連結切り離し方式の事業費も算定した上で、比較検討を行うべき。
(答弁)知事 需要予測は1日当たり5,000人となり、国、県、JRがそれぞれ総事業費の3分の1を負担した場合、採算性を見込むことができた。また、B/Cは1を上回っている。次に、高規格道路の整備に当たっては、鉄道との関係に十分配慮した上で、相乗効果が発揮されるよう検討を進めてまいる。鉄道の利便性については、平成31年2月のJR九州との同意において、空港アクセス鉄道は豊肥本線への乗り入れをしないこととしている。他の交通モードとの比較だけでなく、利便性向上の方策についても空港アクセス検討委員会で議論を深めながら引き続き検討していく。
ヤングケアラー支援について
(質問)かまたさとる ヤングケアラーとは、慢性的な病気や障害、精神的な問題などを持つ家族の介護や世話をしている子どものこと。本県でもヤングケアラーの実態調査をすべき。そして、ヤングケアラーへの支援について学校と福祉部門、民間支援団体との連携を図って取り組むべき。
(答弁)知事 国の実態調査をベースとして本県の状況を具体的に把握し、支援策につなげるため対象者数を拡充し、調査項目を追加して、秋頃までに実態調査を行いたい。ヤングケアラーは早期に発見し適切な支援につなげて行くことが何よりも重要。そのため、県の実態調査を踏まえつつ、福祉や教育などの関係部局での認識向上、学校現場などにおける早期発見、子どもたちが相談しやすい体制の充実、市町村をはじめとする関係機関との連携体制の構築など、より具体的な支援策の検討を行なう。
生活福祉資金の特例貸付の審査等について
(質問)かまたさとる 熊本県社会福祉協議会は、新型コロナウィルスの影響で収入が減った生活困窮世帯を対象に無利子で生活資金を貸し付ける「生活福祉資金」の特例貸付を、昨年3月下旬に受け付けを開始した。緊急小口資金、総合支援資金の審査で不承認とする場合の申請者への理由の開示と、その方々への寄り添った支援について尋ねる。
(答弁)健康福祉部長 生活福祉資金の審査手続は全国一律の取扱いであり、個々の理由は開示しない。また、そのことについて全ての申請者から事前に同意を取ることとされている。県では県社会福祉協議会における審査、運用は適切であると考えているが、この特例貸付が適切に運用されるよう、引き続き、県社協へ必要な指導などを行うとともに、自立に向けた支援に取り組む。
骨髄移植のドナー登録とワクチン再接種費用の助成について
(質問)かまたさとる 現在、県内では、宇土市、美里町、八代市がドナー登録者への助成をしているが、県からの補助は無い。県としてもドナー登録者への助成について取り組んでいただきたい。また、骨髄移植などを受けると、一度接種したワクチンの効果が失われる場合が多く、感染症予防には再接種が必要。免疫が消失、低下した子供などを対象に県として再接種への助成を行うことができないか。
(答弁)健康福祉部長 県としては骨髄移植の施策については、全国統一的な実施が望ましいと考えており、国に支援策を要望するとともに国や他の自治体の動向を注視しながら、必要な施策について検討していくとともに普及啓発に努めて参る。ワクチン再接種費用の助成については、先行で実施している自治体や県内市町村の実情を踏まえ、助成の必要性も含めて検討していく。

県政ニュース80号2021年春

県政ニュース80号2021年春を発行いたしました。

春爛漫の季節となりましたがいかがお過ごしでしょうか。
さて、県民一丸となった新型コロナウィルスの感染拡大防止の取り組みによって感染者は減少をしていますが、まだまだ油断はできません。警戒感を緩めることなく引き続き感染防止の取り組みを進めていかなければなりません。4月で熊本地震から5年が経過します。現在、熊本県は、熊本地震の復興の取り組みの途上で新型コロナウィルス感染症、令和2年7月豪雨災害の発生という県政は史上例を見ない3つの困難に直面をしています。

学生食料支援プロジェクトで生活相談

学生食料支援プロジェクトで生活相談

まず、新型コロナウィルス対策については、私たち「立憲民主連合」は、県民の生命と健康を守ることを第一義に考えて、第3波拡大期に県知事に対して県独自の緊急事態宣言の発令を求めました。あわせて、飲食店の時短要請エリアの拡大、取引事業者への支援金の給付を求めて実現することができました。これからワクチン接種が始まります。国の情報・動向が二転三転することもあり準備を進めている自治体は大変ですが、県民への正確な情報提供と接種希望者が早期に接種できるように取り組みを進めていきます。

コロナ対策の要望書を木村副知事に手渡す

コロナ対策の要望書を木村副知事に手渡す

坂本町で仮設住宅からの引越しボランティア

坂本町で仮設住宅からの引越しボランティア

次に豪雨災害についてですが、県南地域を中心に甚大な被害をもたらした7月豪雨災害から9ヶ月が経過しました。県は、今後5年から10年程度で実施・着手する事業メニューや事業費を示した「球磨川水系緊急治水対策プロジェクト」を公表しました。河道掘削、遊水地整備、築堤、引堤、土地の嵩上げなど、これまで「ダムによらない治水を検討する場」では、事業費は最大で約1兆2千億円、工期も最低で45年、最長なら200年もかかると国交省が試算し実現は難しいとされていましたが、県知事がダム建設を容認した途端、事業費は約1800億円で10年程度で実施できると示されました。国交省がいかにダム建設を進めたかったのかという姿勢がうかがい取れます。これまでダムに固執して対策を進めてこなかったとすれば、国交省の責任は重大ですが、今後、ダム以外で進めるべき治水対策は早急に着手してもらいたいと思います。川辺川に設置するとされている流水型ダムについては事業実施前に、費用対効果、環境に与える影響(環境アセスの実施)などの問題点を住民参加で検証していくべきです。

連合熊本と議会対策会議

連合熊本と議会対策会議

性暴力を許さない「フラワーデモ」

毎月11日に実施されている性暴力を許さない「フラワーデモ」

また、2月定例県議会の議論の中で、空港アクセス鉄道の早期実現を求める意見も出されましたが、現在の空港の利用状況や運賃も含めた需要予測を正確に試算した上で、その必要性について県民にしっかりと説明すべきです。いずれにしましても、災害やコロナ対策で県財政が大きく圧迫されています。現在は、県民の生命と健康を守る事業に集中すべきです。

国への意見書提出については、私たち立憲民主連合は公明党と共同提案で、夫婦が同じ姓にするかしないかを選べる「選択的夫婦別姓制度の実現を国に求める意見書」を提出しましたが、自民党と一部の無所属議員の反対によって否決されました。夫婦別姓はオリパラ参加国(206カ国)の中で、法律で婚姻後の氏を同一にしなければならないと規定しているのは日本だけであり、そのオリパラ担当の丸川珠代大臣ら自民党国会議員有志50人が道府県議会の議長に選択制夫婦別姓制度賛成の意見書を採択しないように求める通知文を送っていました。県民の意見を代弁する地方議会の論議を上から抑え込むような行為は看過できません。

今回の定例議会で可決承認した令和3年度当初予算は8,651億円で県政史上2番目の規模となります。新年度の県事業が、県民の生命と生活を守ることを第一義に進められるのかしっかりと見ていきたいと思います。

川辺川の九折瀬洞で生態系調査

川辺川の九折瀬洞で生態系調査

県政ニュース76号2020年春

県政ニュース76号2020年春を発行いたしました。

知事選の関係で例年より早めに開会された2月議会で一般質問に立ちましたので、以下にその要旨を掲載いたします。

新型コロナウィルス対策について(要望)

(1)各保健所と検査業務を行う保健環境科学研究所の体制拡充。対応にあたる職員のストレスや感染リスクについての十分な配慮。
(2)海外からの旅行客への検疫体制強化と手洗い、咳エチケットの励行の徹底。
(3)誤解やデマによる差別や偏見や感染者の人権に最大限配慮した対応。
(4)影響を受ける県内の中小企業への支援。等について要望する。

空港アクセス鉄道の事業費と収支見通しについて
(質問)かまたさとるJR三里木駅から熊本空港までの鉄道整備で380億円とされている事業費の負担は、JR九州が3分の1を上限に負担するとの同意内容になっているが、それは増益効果の一部を支出するとなっている。私は利益を生み出せるのか非常に懸念をしている。赤字ならばJR九州の運用益は少額にとどまり、JR九州からの整備費負担はほとんど期待できない。そうなれば、整備費のほとんどを県民が負担することになってしまい、運行経費の赤字分の穴埋めも県民が負担することになる。
詳細調査によってアクセス鉄道の事業費、ルートを含めた運行方法はどのようになったのか。アクセス鉄道の収支の見通しは。
(答弁)知事 具体的なルートや事業費、採算性などの詳細調査を年度末を期限に独立行政法人鉄道・運輸機構に委託している。その調査結果を精査した上で、速やかに県議会の場で報告する。収支見通しについては、実現可能性の高い目標の622万人の航空旅行者数と中間駅を予定している県民運動公園や免許センター利用者を含めると十分需要は見込まれる。
(質問)かまたさとる これだけの多額の事業費を要する事業であるので、知事選挙までには詳細な事業費等を示すべき。
(答弁)知事 年度末は3月31日。その後、県議会の場で説明する。それと同時に県民に知れ渡る。
気候変動対策について
(質問)かまたさとる 気候非常事態宣言をするべき。
(答弁)知事 気候非常事態宣言は地球温暖化に関して住民と危機意識を共有し気候変動を緩和する政策を進めるものだが、同じ考えから2050年までのCO2排出ゼロ宣言を行った。
FCV(燃料電池自動車)普及の取り組みについて
(質問)かまたさとる 熊本県はFCVの普及に向けて、2015年に熊本県燃料電池自動車普及促進計画を策定し、地方都市圏のトップランナーを目指すと宣言しているが、その成果が見えない。県議会の玄関の横の水素ステーションは平成28年に1億6千万円で整備されて年間の維持費が約300万円ほどかかっているが、県庁の水素ステーションは民間の方は利用できない。県内に燃料供給できるステーションがないので、民間所有のFCV車はゼロ。県庁の水素ステーションを民間の方も利用できるようにすべき。
(答弁)商工観光労働部長 県庁の簡易型水素ステーションは実証用のもの。そのため水素の製造量等に限りがあることや管理運用上の規制があることなどから民間利用は制限している。
フリースクールとの連携について
(質問)かまたさとる  フリースクールへの財政措置をすべき。
(答弁)教育長 新年度から国の事業を活用し市町村に対する教育支援センターの設置支援、教育センター及びフリースクール等へ通う経済的支援が必要な子どもたちに対する通学費等の援助に係る経費を新規予算として計上している。
県内バス事業者の共同経営への県の支援
(質問)かまたさとる  県内バス会社5社が共同経営を行うことを表明した。県内のバス事業の収支はいずれも赤字で運営費総額の約90億円のうち約30億円を補助金で補っている。公的支援抜きでは県内の公共交通網の維持は困難。地方バス路線を守るために県が支援すべき。
(答弁)企画振興部長 県として速やかな共同経営への移行のため事業者と一緒になって計画の策定や関係機関との調整に取り組む。
運転免許証のお試し返納
(質問)かまたさとる  京都府警が高齢のドライバーが運転免許を持たない生活を一カ月送る「お試し返納」に取り組んでいるが、高齢者の免許証返納への心理的な抵抗や不安を緩和するためにお試し期間を設けることは有益だと考える。本県でも実施できないか。
(答弁)警察本部長 京都府警も取り組みを始めたばかりなので、その取り組み注視しつつ引き続き自治体等と連携し自主返納を促進する取り組みを進める。