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県政ニュース73号2019年夏

県政ニュース2019年夏を発行いたしました。

6月議会は、6月7日~24日まで行われ、一般会計244億円を増額する今年度一般会計補正予算案など30議案を可決し、補正後の一般会計は総額8159億円となりました。以下に主な内容について報告します。

熊本地震からの復旧・復興

熊本地震関連では、仮設住宅入居者については、5月末現在5154世帯の仮設入居世帯のうち約3割程度の1700世帯について今年度中の恒久的すまい確保が難しいとの見解が示されました。約1700世帯の内訳は、自宅再建の工事待ち800世帯、災害公営住宅の入居待ち650世帯、益城町土地区画整理事業など公共工事の完了町250世帯。加えて自宅再建資金の調達が難しいことなどを理由に新たな住まいをどうするか方針さえ決まっていない世帯が148世帯あることも明らかにされました。この世帯については現在の仮設入居期限延長の対象要件となっていません。仮設からの無理な追い出しにならないよう延長要件の弾力化を求めていかなければなりません。

熊本都市圏の渋滞対策を議論

また、高速交通ネットワーク整備促進特別委員会では、熊本都市圏の渋滞対策などを議論しました。熊本市の渋滞は、東京、大阪、名古屋の3大都市を除いて全国の政令指定都市でワースト1位であり、6月に県と国・熊本市で設置された熊本都市道路ネットワーク検討会
において、これから検討を始めるのではなく、すでに検討されている渋滞改善策をスピード感をもって実行に移すことが必要であると執行部に求めました。

沖縄辺野古新基地建設にNO

また、最終日に、沖縄の民間団体から提出されていた陳情も踏まえて、辺野古新基地建設中止を国に求める意見書を本会議に提案して提出者説明を行いましたが、自公の議員の反対多数により否決されました。沖縄の民意は、県民投票で7割の県民が辺野古新基地反対の意思表示をしていますが、その結果をまったく無視して辺野古に土砂を投入し続ける安倍政権の姿勢は、民主主義を踏みにじるものです。私たち熊本県民も沖縄県のことと他人ごとにすることなく、私たちも受け止めるべき問題という意識を持ってこの問題に向き合うべきです。

6月1日に、地域政党「くまもと民主連合」を立ち上げました。自民党1強状況が続く中、野党がバラバラでは緊張感ある政治は生まれないと、非自民のスタンスをとる県内の地方議員23名で地域政党「くまもと民主連合」を設立しました。くまもと民主連合は、県民生活の向上を目的に生活者、働く人たちの立場に立って、県内の地域課題を共有しながら自民党と違う新しい選択肢として県民に認知されるように取り組みを進めていきます。新しい政治のカタチとして、オール熊本で民主主義を取り戻すため志を同じくする仲間とともに歩みを進めていきます。今後ともご指導をよろしくお願いします。

代表質問を行います

2019年9月9日(月)13時~

皆様のご意見・ご要望をお聞かせください。

県政ニュース71号2019年 新春

昨年12月議会で一般質問に立ちました。痛みを抱えている県民に対して県として取るべき対応について求めてまいりました。以下にその要旨を報告します。

障がい者雇用水増し問題について
(質問)かまたさとる この問題は、中央省庁は処分なし。障がい者や民間企業を裏切る行為を長年行ってきて処分なしというのは理解に苦しむ。地方自治体では、数県で知事や副知事、関係職員の処分を行う。本県も処分を行い責任の所在をはっきりさせて二度とやらないという決意を示すべき。
(答弁)知事 本県においても障がい者の雇用が、適切に算定されていないことが判明し、大変申し訳なく思っている。関係職員の処分については本県では懲戒処分の指針を定めているのでそれに沿って、適切に判断する。
水俣病公害認定50年を迎えて

(1)沿岸住民の健康調査について

(質問)かまたさとる 水俣病被害者救済は、1974年施行の公健法や1995年の政治決着、2009年の特措法など、「つぎはぎ」だらけで、いまだにすべての被害者救済につながっていない。被害がどれだけの範囲におよんでいるのかその実態を掴み、必要な救済策を講じるべき。その前提となる沿岸住民の健康調査を国はやる気があるのか、そして、具体的に国は調査手法の何を開発しているのか、その開発が進まない要因は何なのか、いつ頃の実施を予定しているのか。
(答弁)知事  国では、現在、調査手法の開発に向けて「有効な診断方法の開発」「患者の経年的変化等の把握」「水銀へのばく露の量と症状等への関係の解明」等の課題について基礎的見地を得るための研究が行われている。県としては、調査手法の開発が進むよう関係者への協力要請や調整など、今後とも可能な限りの対応を行う。

(2)認定審議業務について

(質問)かまたさとる 水俣病の認定審査は2015年から現在まで、918名の申請者を審査して認定件数はたったの4名。認定審査業務は、県による疫学調査と神経内科,眼科,耳鼻咽喉科の医学的調査が実施されて認定審査会の審査の上,知事による認定又は棄却の処分が行われる。その第一段階である疫学調査は県職員が聞き取るものだが、その対応について、申請者の立場に立たない、丁寧さに欠ける疫学調査が行われているのではないかという問題点が指摘されている。「知事の任期中に認定審査を完了する」とのマニフェストの公約を実現するために、棄却や取り下げを進めている、との指摘を受けないように、認定審査業務は丁寧に進めるべきだ。
(答弁)知事 今後も、申請者の状況に十分配慮しながら迅速かつ丁寧に認定審査を進める。

(3)水銀フリー社会の実現に向けて

(質問)かまたさとる 「国内外の水銀フリー社会の実現に向けて貢献する」ことが熊本県の率先取組みの基本原則となっているが、県が管理する庁舎や施設、道路などの蛍光灯や水銀灯はまだ、LEDに切り替えられていないし、学校や警察などの施設の水銀灯の設置状況が把握できていない。
水銀製品の使用削減や代替製品への転換促進を訴える熊本県がいつまでも水銀製品を使用すべきではない。設置の状況をどう把握して今後どうしていくのか。
(答弁)環境生活部長知事部局では平成22年度から計画的にLED照明への交換を行っている。県管理道路については、平成27年度に水銀灯などの設置状況調査を実施し、順次交換を行っている。教育委員会、警察本部については、今後更に転換を進めていくために既存の照明器具の調査を行う。
熊本地震被災者の医療費窓口負担の免除について
(質問)かまたさとる 仮設住宅やみなし仮設住宅に入居を継続している世帯は、自力での生活再建をすることができない高齢の世帯が多数で、生活が苦しいうえに、健康状態でも、もともと持病を抱え、震災と長引く避難生活によって持病が悪化している方々や、震災をきっかけに病気を発症した方々、社会生活を営む中で介護や何らかのサポートを必要とする方々。この現状をふまえ、被災された低所得者と仮設住宅入居者に対象を限定して医療費窓口負担の免除ができないか。
(答弁)知事 市町村に意向がないことから、県の財政支援を復活することは難しい。
生活困窮者自立支援事業の拡充・強化と体制整備について
(質問)かまたさとる 10月から生活困窮者自立支援法が改正され、基本理念や都道府県の役割が明確化されるとともに、自立相談支援事業や就労支援事業、家計改善支援事業の一体的実施を促進するなど、生活困窮者に対する包括的な支援体制が強化されることになった。本県においても改正に合わせて支援体制を強化すべき。
(答弁)健康福祉部長 各地域で相談支援員や福祉事務所等の関係者が参加する「支援調整会議」を活用し、生活困窮者の方を確実に相談につなげ、包括的で早期支援に努めていく。市町村への支援は、全ての市町村に相談窓口を設置してそこに配置している相談支援等の研修は県が主催して行っている。今後も生活に困窮している方々の自立に向けた支援体制の充実、強化に努める。
犯罪被害者等支援と加害者家族への対応について

(1)犯罪被害者等支援条例の制定について

(質問)かまたさとる 犯罪等の被害にあった方の多くは、犯罪そのものによる直接的被害だけでなく、それに伴い生じる、精神的なショック、再び被害にあうのではないかといった不安、捜査・公判への対応に係る精神的・時間的負担、周囲の目や誤解に基づく中傷、過剰な報道といった、いわゆる二次的被害にも苦しんでいる。被害者支援の取組みをさらに推し進めるために条例を制定すべき。
(答弁)環境生活部長 支援を一層図るため、取組指針に基づき、相談窓口の強化や県民の方々の理解促進に努める。あわせて条例制定を含め、支援施策の充実について検討する。

(2)犯罪加害者家族への対応

(質問)かまたさとる 加害者家族に対しては、取材攻勢、バッシング、学校でのいじめ、日常生活の破壊、一家離散、自ら命を断つ人も珍しくないことまで、被害者側と加害者家族は立場は反対だが、抱える困難は驚くほど類似している。しかし、加害者本人以上に厳しい苦難を強いられるその家族をサポートする制度はないし、その重要性もほとんど理解されていない。そこで、加害者家族の相談窓口を設置すべきである。
(答弁)環境生活部長 県では加害者家族の方々に対する専用の窓口を設置していないが、ご相談があれば「熊本県人権センター」で対応する
定時制・通信制教育の振興について
(質問)かまたさとる  定通併修生とは、定時制の学習と通信制の学習を並行して履修する「定通併修」を選択している生徒であり、通常、定時制課程の生徒は、卒業まで4年だが、4年生で学ぶ内容を、通信制の学校で単位を修得することにより、3年生で卒業を認められる。ただ、授業料を実質無償とする高等学校等就学支援金は一つの教育課程のみが対象なので、定時制課程の分を支援金の対象とする場合、通信制課程の単位取得については自己負担をしなければならない。この自己負担分を免除することができないか。
(答弁)教育長 定通併修は、生徒1人あたり年間平均2,800円が本人負担。引き続き、国に対して支援を要望するとともに、県独自の負担軽減の取組みも、その必要性を含め検討する。

県政ニュース70号2018年 秋

一人ひとりに寄り添う復興へ

県政ニュース70号2018年秋を発行いたしました。

 

秋冷の候、ますます御健勝のこととお慶び申し上げます。
さて、今年は夏から秋にかけて、全国各地で大規模な災害が発生しました。6月には大阪北部地震、7月には西日本豪雨災害、9月には台風21号が関西地域で猛威を振るい、北海道では震度7の地震が発生して多くの尊い命が失われました。謹んで哀悼の意を表しますとともに、被害に遭われた方々に心からお見舞いを申し上げます。熊本県からは、熊本地震の経験を生かして、被災自治体に対して初動対応のノウハウ提供、保健・医療・土木など専門職員の派遣、罹災証明業務の支援など現地のニーズを踏まえた支援を行っています。引き続き被災地の早期の復旧・復興に向けてできる限りの支援を継続していただきたいと思いますし、行政や県民一人一人が自らの備えを今一度再点検しなければなりません。
熊本地震からの復興

熊本地震から2年半が経過をしようとしています。現在、熊本県では被災された方々の住まいの再建を最重要課題と位置付けて全力で支援にあたっています。8月末現在で仮設住宅入居者は2万6千人で、昨年5月のピーク時から2万人を超える方が住まいの再建を実現しています。8月にはこれまでの4つの支援策に加えて、保証人のいない方でも民間賃貸住宅に入居できる制度が創設されました。また、災害公営住宅についても、現在、12市町村で整備されている1,733戸のうち約8割で事業着手されています。本年度中にはすべての団地で事業に着手し、635戸の完成を目指しています。このように被災者の生活再建は着実に進みつつありますが、一方では今なお再建のめどが立たずに仮設での生活を余儀なくされている方もいらっしゃいます。9月議会において被災者から請願が出されていた「被災者の医療費免除制度の復活」が否決されました。東日本大震災で被災した岩手県では医療費免除措置は継続されています。本県においてもすべての被災者に対する適用は困難かもしれませんが、せめて仮設入居者に限定して適用するなどの対応が必要であると思います。今後とも被災者一人一人に寄り添いながら被災者の生活再建の格差が生じないように取り組みを進めていきます。

障がい者雇用率の水増し問題

中央省庁で障害者雇用率の水増しが発覚し、地方自治体でも同様の対応を行っていた自治体があり問題になりました。熊本県も実態を調査した結果、障害者手帳の未確認など厚生労働省のガイドラインに反する不適切な参入が確認され、県職員16人、県教委21人の水増しが判明しました。障がい者手帳の写しの提出を怠っていたことが要因ですが、民間の範となるべき県や教育委員会が適切に対応せずに、結果として障がい者の雇用機会が奪われていたことは問題です。今後は、障がい者雇用計画書を作成して法的雇用率の早期達成を目指すとの考えが示されましたが、今後、早期の対応とあわせて障がい者が働きやすい職場環境づくりを求めていきます。

熊本空港への交通アクセスの改善

熊本空港は交通アクセスが弱点とされており、県は2020年の空港民営化に合わせ定時制の確保や所要時間短縮の可能性を探ろうとアクセス改善策を検討しています。 JR熊本駅から空港までの移動を想定し、JR豊肥線延伸、モノレール新設、熊本市電の延伸の3つの案を検討し、以下の表の通りの試算が示されました。

JR豊肥線延伸は、三里木駅、原水駅、肥後大津駅の3駅から熊本県総合運動公園を経由して空港にいくルートを想定、モノレールは第二空港線から電車通りを通って産業道路経由で熊本駅に行くルートと第二空港線から電車通りを通って熊本駅に行くルートを想定、熊本市電の延伸は健軍終点からと新市民病院からの延伸が想定されています。私も熊本空港への鉄軌道を活用したアクセスについては改善の必要性を強く感じています。 しかしながら、いずれのルートも多大な事業費が必要ですので、早期にその必要性や具体的ルートを明らかにして利用者である県民の意見も取り入れながら、時間的な緊迫性も持って検討を進めていくべきであると考えます。
この他、9月議会では、熊本地震からの復興のシンボルとして県庁プロムナード内に設置するワンピースの主人公ルフィ像の除幕式を11月30日に開くことやルフィの仲間のキャラクター像を県内被災地に設置する検討を進めていることも明らかにされました。今後も熊本地震からの復興と県政発展に向けて取り組みを進めていきます。

任期中最後の一般質問

 

■ 日時/12月6日(木) 11時~

■ 場所/熊本県議会 本会場

是非、傍聴にお越しください。

県政ニュース69号2018年夏

県政ニュース2018年夏を発行いたしました。

猛暑の候、いかがお過ごしでしょうか。

国政においては、中央官僚による公文書の改ざん、隠ぺい、データのねつ造というこれまででは考えられない行為が行われ、国会では真相が語られず、虚偽と疑われる答弁が繰り返されました。また、問題の多い法案を数の力で強行採決してしまう状況が続いています。国会は異論があれば勢いで抑え込むのではなく、異なる意見も尊重して議論を進めるべきです。今一度民主主義を機能させ、政治への国民の信頼を取り戻さなければなりません。

さて、熊本地震から2年3カ月が経過をしようとしています。創造的復興が進んでいますが、被災者の生活再建は道半ばです。6月県議会も議論の中心は熊本地震からの復旧・復興であり、今後も被災者の生活再建をはじめインフラ整備などの取り組みを継続して進めていきます。

被災者のすまいの再建については、昨年5月時点では約4万8千人の方々が仮設住宅に入居されていましたが、現在では、3割を超える約1万5千人の方が住まいの再建を実現されていて、今年度末には全体の約半数の方が再建されると見込まれています。しかしながらいまだ3万3千人の方が仮設住宅などでの生活を余儀なくされており、県が示している4つの住まいの再建支援策の周知徹底が必要です。

また、民間アパートを借り上げているみなし仮設住宅のコミュニティ形成に係る助成制度(10世帯以上集まれば2万5千円が助成される)については、現実的な問題として、点在して日頃の接点がなく生活している世帯が10世帯以上も集まって交流するのは難しいので見直しを求めてきましたが、今回、5世帯以上と要件緩和となりました。今後とも、被災者の生活実態を踏まえた対応を進めていきます。

また、非常に気になる問題として児童・生徒の心のケアがあります。熊本市を除く県内の児童生徒の1.1%が専門家による心のケアや支援が必要という調査結果が出ています。全体的な傾向としては県立中・高等学校、特別支援学校は、前回調査と比較して横ばい状態でしたが、公立小中学校において前回調査と比較して増加しています。「地震の情報等を見聞きした時に表情が変化する」「ストレス度合いが高い」などの子どもたちの様子は気になります。しっかりケアに努めていかなければなりません。

また、今議会では、本年4月15日に県民栄誉賞を受賞した熊本県出身の漫画家尾田栄一郎さんの作品「ONE PIECE」の主人公ルフィ像を県庁プロムナードに設置するという県の方針について議論になりました。設置場所が県庁でいいのか、像設置より被災者の生活再建支援を優先すべきではないか、という県民の意見も踏まえて、設置場所については尾田さんの意向通りに県庁に設置して、被災地などの県内各地に「麦わらの一味」の像を設置することや、設置費用については尾田さんが寄付した8億円をあてる考えが示されました。被災地への県内外からの誘客を増やすことができるこの取り組みを、尾田さんが念願している熊本地震からの復興につなげていかなければなりません。

そして、国際スポーツ大会の推進については、ラグビーワールドカップ、女子ハンドボール世界選手権大会の開催まで、いよいよ1年半を切りました。県では4月に「国際スポーツ大会推進部」を設置し、大会に向けた準備を加速しています。ラグビーワールドカップについては、熊本で試合を行うフランス、トンガ、ウェールズ、ウルグアイの4チームが熊本県で公認キャンプを行うことが内定しました。この取り組みも県民全体で盛り上げていかなければなりません。

これらの取組みによって熊本県を大きく前進させて、熊本地震からの復旧・復興、被災者の生活再建をさらに推し進めていきますので、今後ともよろしくお願い申し上げます。

県政ニュース68号2018年春

平成30年2月定例会で本会議代表質問を行ないました。以下にその要旨を掲載いたします。

熊本地震から2年を迎えるにあたって

(1)仮設住宅入居期限延長について

(質問)かまたさとる 仮設住宅の入居期限は無条件に延長されない。東日本大震災では、入居期限の最初の1年延長に条件をつけた自治体はなかったが、仮設の入居期限の延長についてどのような考えで延長の要件を定めたのか、被災者の個々の事情を踏まえたうえで対応ができないか。
(答弁)知事 東日本大震災では、地震と津波により広範囲にわたり街そのものが失われる壊滅的な状態となった。そのため高台移転をはじめ大規模な公共事業が必要となるなどその特殊事情を考慮し、一律に延長されるという特例的な扱いとなった。今回は8つの延長要件を定めた。延長を認められなかった方々に対しては、今後の住まいの再建先の確保状況の確認や必要とされる支援策を講じるなど丁寧な対応をとっている。

(2)復旧現場での労働災害防止と法令順守の徹底について

(質問)かまたさとる 県発注の公共工事の復旧現場での労働災害事故防止、長時間労働の問題、および賃金未払いの発生防止についての取組は。
(答弁)土木部長 安全労働については、受注者などに工事現場における安全確保の再徹底を通知する。長時間労働については、工事書類の簡素化をした。賃金未払防止は、建設関係団体へ法令遵守の徹底の通知を行うとともに、労働基準監督署や国土交通省と連携した講習会の開催、施工体制の確保や下請け代金支払いの適正化に向けた指導を行っている。

(3)地域防災力向上の取り組み

(質問)かまたさとる 熊本地震の経験のノウハウを広く県内に広め、地域防災力の底上げを図るための今後の取り組みは。
(答弁)知事公室長 自主防災組織間での顔の見える関係を構築するため、地域の枠を超えた組織のリーダー向けのワークショップや活動が活発な組織の講演会を実施する。防災士の活用については県の地域防災計画や自主防災組織の活動マニュアルに地域防災リーダーとして防災士の役割を明確に位置付けた上で、市町村の防災活動における積極的な活用を促していく。
くまモンイラスト利用の制度改正について
(質問)かまたさとる くまモンのイラスト利用は、熊本のPRや県産品使用を条件に、原則として国内企業に限り無料で利用できたが、今後は海外企業の利用を解禁し、県のPRを求めない代わりに小売価格の5~7%の利用料をとる新制度を導入することになっているが、今回の制度改正の目的と得られる効果は。
(答弁)知事 くまモンの認知度と活躍空間を世界中へ広げ、熊本へのインバウンドの増加や県産品の販路拡大など、県内経済の好循環につなげる。一方でくまモンイラストの不正利用が急増しており、効果的な不正利用防止の仕組みを整備する。
(質問)かまたさとる イラスト利用料収益の一部は県へ分配されるが、その基準を定めておくべき。
(答弁)知事 純利益が出た場合の県への分配についてはアサツーディ・ケイ社と最終調整を行っている。
(質問)かまたさとる 今回の制度改正で影響を受ける県内企業へ支援策を。
(答弁)知事熊本から輸出する商品についてはイラスト利用を無料化する。また海外利用に係る申請受付を県内で行うことで、コストやスピード面で県内企業を後押しする。
(質問)かまたさとる 海外でイラスト利用の許諾業務を行うのは、株式会社アサツーディ・ケイという東京の広告会社だが、なぜ、この会社か。
(答弁)知事 昨年、くまモンの共有空間の更なる拡大を図るため「くまラボ」を設置し、全世界の企業を対象に県との連携による取り組みの募集をした。その際に、今回の内容の提案がアサツーディ・ケイ社からあった。「ドラえもん」「クレヨンしんちゃん」など海外でのキャラクター管理について十分な実績と能力があることなどを高く評価し提案を採用することになった。
化血研の事業譲渡会社への県から出資について
(質問)かまたさとる 化血研は、明治ホールディングス、県内企業7社による地元連合、熊本県が出資する新会社に事業譲渡をする。譲渡される株式会社の株主は、明治グループ49%、熊本の地場企業からなる熊本県企業グループが49%、そして熊本県が2%で、地元経済界と県が議決権の過半数である51%を保有することになる。
議決権の過半数を持つことによって、知事は、雇用の確保、研究者などの人材の確保、熊本における本社機能の維持の3原則が確保されることになると説明しているが、明治側は議決権のない無議決権の株も保有するので、将来、これで議決権を得ることはないのか、または増資して過半数を持つことはあり得ないか。化血研の事業譲渡会社に県が出資する意義と雇用確保の担保について尋ねる。
(答弁)知事 県が2%を出資することで、明治グループと地元企業連合間のバランスをとり、将来の発展的運営と地元での事業継続が可能となる。雇用確保については、県と地元企業連合で議決権の過半数となる51%とする枠組み自体が、化血研の雇用、人材、本社機能を維持・確保するためのものであり、それが最も大きな担保。無議決権株式については将来的に議決権を得ることはない。増資については、会社法上、株主の3分の2以上の決議が必要となる特別事項とされており、地元が一体となっている限り乗り越えることは難しいハードルである。
LGBT施策の推進について

(1)知事の認識について

(質問)かまたさとる LGBTに対しては理解不足から差別・偏見があるので、熊本県でも偏見をなくすための啓発の取り組みを進めるべき。知事のLGBTに関する認識は。
(答弁)知事 性に関する個人の認識や考えについては、決して固定的・絶対的なものでなく多様なもの。この多様性について理解不足や偏見のため、自分のありのままを言えない方々が存在すると認識。LGBTも重要な人権課題の一つであり、関係機関・団体と連携しながら正しい知識や情報を伝えるため研修会の開催や啓発資料の活用など、人権教育・啓発を着実に進める。

(2)性別記載欄の必要性の検討と見直しについて

(質問)かまたさとる 県は様々な手続きの中で県民に性別欄の記載を求めているものがあるが、LGBTの当事者たちが不便を強いられている可能性もある。県が定める各種申請様式の性別記載欄の必要性の検討や見直しを行うべき。
(答弁)環境生活部長 性別記載のあり方は、時代の推移に応じ、適宜、検討が必要。県が性別の記載を求めている各種申請書の状況把握を行う。

(3)県教育委員会の研修の実施状況について

(質問)かまたさとる 先生たちの理解を深めるための取組状況は。
(答弁)教育長 管理職や人権教育主任を対象にした人権教育フォーラムや、地域人権教育指導研修会の中で、「性的マイノリティ」の方々の思いを聞くなど、支援のあり方等を考える研修を実施している。養護教諭等を対象とした研究大会で、専門医を講師に招いた研修も実施されている。各学校でも研修等をとおして教職員一人一人の性の多様性に対する適切な理解促進に努めている。

(4)サポートチームの設置状況について

(質問)かまたさとる 学校には児童生徒や保護者から相談があると思うが、文科省の通知では、相談に対応するための「サポートチーム」を学校内外に作るように記載してあるが、県内の学校の状況は。
(答弁)教育長 各学校においては、児童生徒や保護者からの相談に対して組織的に対応する体制の整備に取り組んでいる。特に性同一性障がいに係る相談に対しては児童生徒の心情や保護者の意向に配慮しつつ、必要に応じて医療機関等とも連携して支援を進めるようにしている。

(5)性暴力被害者に対する職員の理解促進の取り組みについて

(質問)かまたさとる 昨年7月施行の改正刑法で強制性交等罪が新設されて、女性に限っていた性暴力被害者の対象が広がり、性別に問わず適用されることになった。県内の強制性交罪事件の認知件数とそのうちの男性被害者の人数、そして、性暴力被害者に対応する関係職員へのLGBT理解促進への取組みは。

(答弁)警察本部長 県下の強制性交等事件の認知件数は、昨年7月以降13件で男性の被害はありません。性暴力被害に遭われた方の相談窓口電話を「レディース110番」から「性被害相談電話」と名称変更。性犯罪捜査に関する研修の対象を男性職員にも広げる。

旧優生保護法下での強制不妊手術について
(質問)かまたさとる 優生保護法は、遺伝性疾患や知的障害者への不妊手術を認め、本人の同意なしに手術をすることができた。熊本県には強制不妊手術の個人名記載の資料は残っているのか。強制不妊手術を進めてきたことについて知事はどのように考えているか。
(答弁)知事 個人名が記載された関係資料は確認できなかった。「熊本県衛生統計年報」によると246人が手術を受けていて、遺伝性疾患が124人、精神疾患が122人。本人の同意を得ることのない不妊手術は当時としては国全体で行われてきたことだが、現在では考えられないことであり、悲しみを禁じえない。改めて資料が存在していないか、範囲を拡大して全庁的に調査するよう指示した。
再犯防止に向けた県の取組みと再犯防止推進計画の策定について
(質問)かまたさとる 再犯防止の取り組みは就労や住宅の確保、高齢者または障害のある方への支援、薬物依存者への支援など多岐にわたる。関係する県の担当部署や国の機関である熊本保護観察所、そして更生保護に取り組んでいる民間団体などと、再犯防止対策関係機関を構成員とする連絡会議を立ち上げて、実効性がある熊本県再犯防止推進計画の策定に着手すべき。
(答弁)環境生活部長 2月に庁内関係課による計画策定に向けた連絡会議を開催、今後、熊本保護観察所など、県内の関係支援機関を含めた連絡会議を立ち上げ、再犯防止推進計画の策定を進める。
こどもの貧困対策について
(質問)かまたさとる 県は、子どもの生活実態調査を昨年6月から7月にかけて小学校5年生の子どもおよび保護者、中学校2年生の子どもおよび保護者を対象に実施した。子ども達の支援を地域で担っている活動の一つに「こども食堂」があるが、こども食堂関係者に加えて、こどもの支援やシングルマザーの支援を行っている団体も加えて、こどもや親への支援を行っている団体をつなぐ「支援のネットワーク」の構築をすべき。
(答弁)健康福祉部長 新年度の新規事業として、地域全体で子どもや家庭を支えるネットワークづくりを進める。さらに調査結果を市町村単位で詳細に分析し、子どもの居場所づくり等、地域の実情に応じた市町村の取り組みを支援する。
夜間中学の設置について
(質問)かまたさとる 夜間中学校の設置に向けてのこれまでの取り組み状況と今後の取り組みは。
(答弁)教育長 平成27年度に検討会議を立ち上げ、情報収集をしている。引き続き調査研究を進めるとともに市町村教育委員会を対象とした研修会を実施するなど、周知にしっかりと努める。